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投資ポートフォリオのCO2量に注目! 環境金融市場が活性化

CO2
(写真=PIXTA)

地球温暖化の危機が叫ばれるようになって、環境問題は投資テーマとしても身近なものになっています。これまでも、「エコファンド」と呼ばれる投資信託が販売されてきました。これは、環境問題に積極的に取り組んでいる会社や、環境保護の技術を持っている会社が投資対象となっているものです。

社会貢献に積極的な企業に投資することで、持続可能な社会を築く活動を後押しするSRI(Socially responsible investment:社会的責任投資)の一つとして、環境意識の高い投資家から評価されてきました。

気候変動が金融市場に与えるインパクトは、今後いっそう大きくなると考えられています。その事由を探ってみました。

パリ条約発効で加速した環境金融市場

2016年11月4日、パリ協定が発効しました。これは2015年12月にパリで開かれた「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」で採択された条約です。当協定では、産業革命前からの世界の気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑える努力をすることが明記され、2020年以降の温室効果ガスの削減目標を国連に提出する義務も課せられています。

温室効果ガスの排出を削減するためには、さらなる技術革新が必要です。OECD(経済協力開発機構)の分析によると、低炭素社会に向けた投資に関わる債券市場は、今後20年で10倍以上に拡大すると言われ、その額は世界全体で少なくとも5兆ドルになるのではないかと試算されています。

投資家の環境投資への姿勢も鮮明に

COP21開催に間に合わせる形で、2014年9月に国連の関連機関が投資家に呼びかけた取り組みが「モントリオール・カーボン・プレッジ」でした。これは、投資家自身が投資ポートフォリオのCO2排出量を毎年測定し、公開することへの賛同を求めたものです。

これにより、得られるリターンが同じなのであれば、よりCO2排出量の少ない企業に投資するという投資家のアクションが生まれ、結果的に企業の温暖化対策を推し進めることになるという算段です。

署名したのは、米国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金CalPERSや公務員退職年金基金、機関投資家や金融サービス業者などがあり、日本からはセコム企業年金基金が最初に署名しました。
この取り組みを後押しするのが、各企業におけるCO2排出量の開示です。機関投資家が連携した「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)」では、企業に気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めています。また、企業のサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を算定・報告する基準として、策定されているのが「Scope3」です。投資家はこれらのスコアを参考に、投資先を格付けしていくことになります。

日本企業にとっても、CDPおよびScope3活用戦略の立案は急務であるため、コンサルティング・ファームなどが支援ビジネスに乗り出しています。

国際的に発行・投資が活発化している「グリーンボンド」

投資家の環境重視の姿勢が高まりつつある機運を受けて、昨今注目されているのが「グリーンボンド」という、企業や自治体などが環境に配慮した事業の資金を調達するために発行する債券です。

発行が始まったのは2007年ですが、その後は世界的に広がり、2016年1~5月の発行額は2.5兆円(前年同月比6割増)の規模まで拡大しています。その流れを受けて、2016年9月にはルクセンブルグ証券取引所がグリーンボンドなど、環境関連金融商品のみを取り扱う取引所「ルクセンブルグ・グリーン取引所(LGX)」の創設を発表するなど、一段の盛り上がりを見せています。

日本では、まだ動き始めたばかりですが、2016年10月に小池百合子都知事が「東京都としてグリーンボンドの発行を計画している」と発言して話題になったほか、金融機関も続々と発行を進めています。

今後は、調達した資金の投資対象となるプロジェクトの精査や、環境改善効果に対するレポーティングなど、投資家の信頼を得るための取り組みが、より重要視されることになるでしょう。

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