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オフショア投資で資産は守れる? 策がなくなりつつある租税回避

Offshore
(写真=TAVEESUK/Shutterstock.com)

「オフショア(offshore)」とは「沖合」を意味する言葉です。たとえば、陸地から遠く離れて航行している船舶や航空機の中では、特定の国の税制が適用されることなく、免税された状態で買い物ができます。この考え方をベースとして、金融用語では非居住者に対して租税環境を優遇している国または地域を指す意味で使われています。

オフショアでは、税率が非常に低いか無税となります。このため、「タックス・ヘイブン(租税回避地)」と呼ばれることもあります。ただし、最近は動向も変化しているようです。

オフショア地域には世界中の資産が集まる

オフショア地域の多くは、何かしらの歴史的な経緯があるか、またはその土地の経済力だけでは産業の振興が見込めないような小国や、法律の適用が及ばない離島などの場所です。税制面で優遇措置をとることにより、世界中の投資家や企業から資金を集めています。つまり、国際金融センターであることが一つの産業なのです。

代表的なオフショア地域として、アジアでは香港、シンガポール、マカオ、バヌアツ、ドバイなどがあります。ヨーロッパではマン島、ジャージー島、モナコ、ルクセンブルク、リヒテンシュタインなど、太平洋やカリブ海ではケイマン島、ヴァージン諸島、バハマ、パナマ、バミューダなどが有名です。

たとえば香港では、預金の利子に対する課税や株や投資信託などの金融商品の売買益への課税がゼロです。このため企業や機関投資家だけでなく、最近では日本でも個人がオフショアで資産運用するケースが増えてきています。

オフショア投資と海外口座開設はセットではない

オフショア地域には、世界中の優秀なファンドマネージャーが運用する魅力的金融商品が揃っています。しかし、日本国内での金融機関ではこれらを取り扱うことができません。

オフショア投資を行うために一般的に推奨されているのは、現地に銀行口座を開設することです。為替手数料が安い、海外送金が簡単などといったメリットがある一方で、日本の銀行と異なり、残高によっては口座管理手数料を取られる、ペイオフの対象外のため万が一のときに預金が保全されない、一定期間取引がないと休眠口座と認定されてしまうなどのリスクがあります。また、口座の開設には原則本人が現地まで行き手続きをする必要があるため、個人で行う場合はコミュニケーションの壁もあるかもしれません。

香港HSBCへの口座開設ツアーなども盛んに行われていますが、オフショア口座は必ず開設しなければならないわけではありませんので、事前に確認しましょう。

また同じHSBCであっても、日本国内にある銀行口座は日本の金融監督庁の管理下にあるため、オフショア口座にはなりません。他の外資系銀行についても同様ですので注意してください。

「パナマ文書」が示す今後のタックス・ヘイブン

日本の居住者であれば、たとえオフショア地域で課税されていなくても、日本国内で確定申告をし、所得税を納付する必要があります。2014年からは5,000万円以上の国外財産について、報告義務が課されるようになりました。

また「パナマ文書」の影響もあり、2017年1月1日から外国の金融機関などを利用した国際的な脱税及び租税回避への対処を目的とした、CRS(自動情報交換制度)がスタートします。これは各国間でその国の金融機関等に保有される金融口座情報を自動で交換するというものです。有価証券などを1億円以上持っている人への出国税の制度も始まり、オフショアで節税というのはすでに古い考え方になりつつあります。今後、オフショア投資はあくまでも国際分散投資の手段の一つとして捉えたほうがよいでしょう。

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