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「フィデューシャリー・デューティー」が徹底されると何が起きるのか?

金融庁の重点施策「資産運用の高度化」のために「フィデューシャリー・デューティー」の概念を金融機関が実行することが現実味を帯びてきました。実際にそうなった場合、金融機関と投資家の関係はどう変わるのか。そして、投資家にはいったいどんなメリットがあるのか。 ――日本ではまだまだ馴染みのない、この言葉の意味と内容を解説します。

そもそも「フィデューシャリー・デューティー」って何?

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(写真=designer491/Shutterstock.com)

安倍内閣が掲げる成長戦略である「日本再興戦略」は、2013年に最初の戦略が閣議決定されて以来、ほぼ1年ごとに更新されています。その2016年版である「日本再興戦略2016 ―第4次産業革命に向けて―」の中に登場している言葉が、「フィデューシャリー・デューティー」です。

フィデューシャリー・デューティーが登場するのは、同戦略の具体的施策のうち「活力ある金融・資本市場の実現」という部分です。商品開発・販売・運用・資産管理といった顧客の資産形成に携わる全ての業者において、フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)の徹底が図られるよう、必要な対応について金融審議会において検討を行うとしています。

この「フィデューシャリー・デューティー」という言葉、いったいどのような意味なのでしょうか。

日本再興戦略では「顧客本位の業務運営」とありますが、逐語的に訳せば「受託(者)責任」のことです。もっと具体的に言うと、金融商品の販売・開発に携わる金融機関(つまり資産の運用を受託した者)が、しっかりと顧客の利益に結び付くよう、適切なサービスの提供を行う」という意味です。

もちろん、どこの金融機関でもよりよいサービスを心掛けるのは当然かもしれませんが、今後はそれをさらに徹底していくことで、さらなる金融・資本市場の活性化を目指そうということです。

「どう変わるか」は今後の議論次第?

では、実際にフィデューシャリー・デューティーが徹底されることによって、何が変わってくるのでしょうか。

具体的な例としてよく出されるのが、銀行の窓口で「資産運用にこのようなものはいかがですか、お得ですよ」などと勧められる投資信託です。この場合、おそらく勧められるのはその銀行の系列運用会社の投資信託であることが多いでしょうし、また、それに対してほとんどの人が不思議には思わないでしょう。しかし実際に顧客にとって本当に有利なのは、系列でない他社の運用サービスかもしれません。あるいは、手数料を考えればわざわざ投信に移すメリットはあまりないかもしれません。そのような場合に問われるのが、「フィデューシャリー・デューティー」というわけです。

「顧客側にとってはありがたい」というこの方針ですが、これまでの日本の金融機関の商慣習からすれば、大きな変革が求められる可能性もあります。また、系列会社の金融商品を勧めることに関しても、サービスがいろいろな会社に分散して煩雑になるより、1グループでトータルにニーズに応えられるのがお客さまの利益につながるのではないかという主張もあります。

この「フィデューシャリー・デューティー」が具体的な施策に落とし込まれるまではまだ少し時間がかかりそうですが、先行きには要注目と言えそうです。

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