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注目の投資テーマ 物流の「3PL(スリーピーエル)」とは

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(写真=PIXTA)

2017年10月にヤマト運輸が踏み切った配送料値上げは、27年ぶりの値上げということも相まって取引先、運送業界、物流業界、消費者の大きな関心が寄せられました。その値上げは功を奏し、2018年3月期のヤマトホールディングスの連結決算は、純利益が前の期に比べ1%増加し、株価も大きく上昇、さらに2019年3月期の連結営業利益の予想を前期比71%増の610億円に上方修正しました。

今後、Amazonや楽天など大手ECのさらなる拡大が予想され、メルカリなどによる個人間物流も勢いがある中で、物流業界の課題となるのは人的リソース不足です。そして今、この課題を解決する仕組みと注目を浴びているのが「3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)」です。

大手物流企業も軒並み取り組むようになり、2018年後半から2019年にかけての投資キーワードとしても押さえておきたい「3PL」の成り立ちや仕組み、現在の業界動向についてレポートします。

第三者による物流「3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)」

3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)とは、その名の示す通りサード・パーティ(第三者)によるロジスティックス(物流)を表します。荷主ではなく、運輸会社や倉庫業者などの外部事業者が、物流の企画、設計、運営までを包括して請け負うサービスです。

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(写真=国土交通省)

引用:3PL事業の総合支援(国土交通省)

総合ECサイトAmazonとヤマト運輸をはじめとする物流企業各社によって繰り広げられた値上げ騒動は、EC利用量の増加とユーザビリティの向上から、ジャストインタイムの到着を前提とした物流のボリュームディスカウントを望むAmazonサイドと人的リソースの不足が解消できない物流企業の「利益相反」によって引き起こされたものと言われています。ここに物流に関する専門ノウハウを持つ第三者が、荷主の立場に立って物流のアウトソーシングを実現します。

サード・パーティとなる企業は、すべての運輸業務を自らが行うことも、一部を他企業へ託すことも、あるいは完全にコーディネートに徹してすべての運輸を他企業へ任せることも可能であり、臨機応変に対応できる点がメリットとされています。

3PLは国土交通省が事業促進にあたっており、その政策効果を次のように期待しています。

・ アウトソーシングや効率化による「物流コストの低減」が「国際競争力の強化」へ
・ 物流拠点の集約化、合理化による「環境負荷の軽減」が「地球環境対策」へ
・ 流通加工など総合的な物流拠点の立地促進により「地域経済の活性化、地域再生」へ
参考:3PL事業の総合支援(国土交通省)

古くて新しい概念の3PL、大手が次々に参入

3PLという概念自体は1980年代から登場し、この頃からサービスを提供している日立物流は現在でも国内における3PLの最大手です。また、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスは、日立物流の株式を取得することで、この事業領域を強化しようという動きがみられます。これらの動向から、2018年あるいは翌年には提携を含めた業界再編の可能性も指摘されており、マーケットにも大きな反響を呼び起こしそうです。

2018年7月には出版物流の大手、日本出版販売が、減少の止まらない出版物の物流効率をアップさせ、出版物以外のアイテムも取り扱える汎用性の高い物流拠点を再構築すると発表。さらに、8月には三井不動産が千葉県市川市塩浜に物流施設の開発を決めたと報道されました。

これから伸びる3PLの条件とは?

業界再編をも視野に入れた大きな流れが期待される3PLですが、懸念材料がないわけではありません。少子高齢化が進んでいる現状にあって労働人口は減少の一途をたどり、運送に欠かせないドライバー不足とともに、倉庫で仕分けやピッキングを行うパートやアルバイトの最低賃金もアップしたことで、人的リソース不足に拍車がかかっています。

ここを突破して伸びていく3PLの条件として「ロボティクス」が注目されています。倉庫内の在庫管理にはじまりピッキング、発送手配、輸送手段とルート選定、廃棄物の回収などの「静脈物流」に至るまでの人の手による作業負担が、ロボットを導入することで自動化、効率化される企業も登場しています。人的リソース不足をいかに解消できるかが今後伸びていく3PLの条件だと考えてよいでしょう。

物流各社の動きだけでなく、物流へ新規参入を検討するロボティクス業界やベンチャー企業の動きも注目しておきたいところです。

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