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40年ぶりに大きく変わるといわれる相続法 何が変わるのか? 第2回 預貯金の取り扱いの見直し

(写真=Phanumassu Sang-ngam/Shutterstock.com)

約40年ぶりに大きく変わろうとしている民法の相続に関する規定(相続法)。これによって、具体的にどのような変化が起こるのでしょうか。そのポイントを検証するシリーズの2回目は、「故人の預金を換金する手段を巡る改正ポイント」を解説します。

相続の際、何かとややこしい故人の預貯金

もともとある程度の心構えがあったとしても、近しい人が亡くなると、気持ちの問題だけでなくさまざまな気苦労が出てくるものです。特に、葬儀にまつわるあれこれの費用について、頭を悩ますこともあるのではないでしょうか。あるいは大きな債務が残されていて、その支払いが求められているというケースもあり得るかもしれません。こんなとき、とりあえずアテにしたいのが故人の預貯金でしょう。

そもそも、相続が発生したら故人の預貯金はどういう扱いになるのかを確認してみましょう。まず金融機関に口座の名義人が死亡した旨を連絡した時点で、その口座は強制的に凍結されてしまいます。戸籍や遺産分割協議書等の必要書類を金融機関に提出し、手続きを済ませるまで凍結は解除されません。

故人名義の預貯金は本来「相続財産」として扱われるものです。相続が発生したと金融機関に届けなければ、口座は凍結されずに引き出すことができてしまいます。ただし、口座が凍結される前だからといって、現金を引き出してはなりません。場合によっては引き出した人が、遺産の一部を勝手に持っていこうとしたと判断される可能性もあります。

現行の制度下で、故人の財産の中から葬儀費用等を捻出するにはどうしたらよいのでしょうか。

まずは、葬儀費用に使うなど使用の目的をはっきりさせ、法定相続人全員の了承を取ったうえで、必要な額を引き出すのが有効な手段でしょう。金融機関によっては、必要書類を提出することで引き出しができるようになる場合もあります。

あるいは、病気などで死期が近づいていることを知り、被相続人本人が「あらかじめ、自分の葬式費用を事前に取り分けて用意しておく」というケースも考えられます。

「故人の預貯金の払戻し」はこれまでより簡単に?

しかし、こうした「故人の預貯金の扱い」についても、改正民法では見直しが行われることになっています。

これは「仮払い制度の創設」とも呼ばれるものです。「複数の相続人が共同相続した預貯金について、遺産分割前であっても相続人に仮に払戻すことを認める」というのがこの新制度の概略です。これについて、2018年2月に法制審議会の総会で採択された「民法(相続関係)等の改正に関する要綱案」のなかでは、2つの方策(案)が挙げられています。

一つは、家庭裁判所の手続き(保全処分)を利用するものです。これは遺産分割の審判や調停の申立てに合わせて仮払いの申立てを行うというもので、それなりに手続きに時間や手間が掛かります。加えて、仮払いの必要性についてある程度の証明も必要になります。ただし、仮払いの金額は申立てに基づき裁判所が判断しますが、仮払いの金額に上限は設けられておらず、必要と認められると預貯金の全部を引き出すこともできます。

もう一つは、裁判所を介さず相続人が金融機関の窓口で直接払戻しを求める方法です。これは前述の案に比べると手続きも簡単です。しかし、仮払いの金額に上限を設けることになっています。またこの場合、仮払いされた預貯金はその相続人が遺産分割により取得する分を前もって受け取ったものとみなされます(実際の遺産分割の際、具体的相続分からその金額が差し引かれます)。

預貯金の取り扱いをよく確認しておこう

相続法改正後、どのような手続きになるのかはまだ決まっていません。しかし、個別の手続きは必要になるものの、葬儀費用など必要な資金を預金から引き出しやすくなる可能性もあります。今後の動向には注目してみてはいかがでしょうか。

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