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40年ぶりに大きく変わるといわれる相続法 何が変わるのか? 第3回 自筆証書遺言の見直し

(写真=LifetimeStock/Shutterstock.com)

国会での審議が予定通りに進めば、2019年には改正された新たな相続法が施行されることになりそうです。約40年ぶりという相続法の改正のポイントを、シリーズで解説します。第3回は、自筆証書遺言の見直しについて。相続に重要とされてきた自筆証書遺言ですが、改正によってその管理などが変更になる予定。その内容、影響などをチェックします。

「自筆証書遺言」とは?

相続に関し、さまざまな点で変更が行われるとされる今回の民法改正。「自筆証書遺言」の見直しもそのひとつです。

そもそも遺言とは、故人が自らその遺志を明確に表明した書面のことをいいます。法律上、それが効力を持つためには、民法で定められた一定の形式に則っている必要があります。これには多くの形式がありますが、一般的な遺言(普通方式遺言)の場合は、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類に分かれます。そのなかでも、最も基本的な形式といえるのが「自筆証書遺言」です。

「自筆証書遺言」は、その名の通り被相続人が自分で書き記して作成したものを指します。公証人の手を介して作成する後二者の遺言に比べると、偽造・変造や紛失の危険性が増えるなど、それなりのデメリットはあるものの、費用もかからず証人もいりません。また、一度作成したものを後から考え直して書き改めることも容易というメリットがあります。

もっとも、遺言書の「全文」が被相続人の自筆であることが絶対の条件で、代筆はできません。もちろん、ワープロソフトや表計算ソフトなどで作成したものも不可です。全文自筆であることがポイントです。

相続法改正で「一部デジタル作成も可」に?

しかし、今回の相続法改正では、添付する財産目録等、遺言の一部については自筆で書かなくてもよいとするなど、自筆証書遺言の作成方式を緩和する見直しが行われることになっています。

財産目録は基本、一覧表形式で作る人が多いのではないでしょうか。ここで表計算ソフトなどデジタル的な作成手段が導入できれば「遺言状作成の手間」が大分削減できます。単純に自書する手間が省けるというだけでなく、財産の内容に変更があった場合にそれを反映しやすいのも、デジタルで作成する大きなメリットです。また、表計算ソフトなどパソコンで作成したもの以外にも、預金通帳のコピーなどの添付も認められるように検討されています。

なお、これらデジタル的に作成した財産目録等があくまで「自分の遺言の一部である」ことの証明としては、すべてのページに署名・押印することで対応することになる予定です。

他にもある遺言制度の変更点

自筆証書遺言に関しては、他にも大きな変更が検討されています。それは、新たな保管制度の創設です。

自筆証書遺言は簡単に作成できる一方で、先にも述べたとおり、セキュリティ面に不安があります。しかし、こうしたデメリットを軽減する目的で、申請を受け法務局がこれを保管するというのが、新たな制度の概略です。

2018年2月に法制審議会の総会で採択された「民法(相続関係)等の改正に関する要綱案」によれば、保管申請できるのは無封の自筆証書遺言のみです。従来からある自筆証書遺言の「いつでも変更できる」という簡易さもなるべく残す目的から、遺言者は遺言書の返還・閲覧請求が可能です。また、遺言状が法務局で保管されていることを明確にするため、法務局は局の名称等が書かれた証明書を交付するとともに、相続人・受遺者・遺言執行者などからの閲覧請求も受ける、という内容になっています。

また自筆証書遺言には限りませんが、遺言執行者の権限の明確化や、遺贈の担保責任に関する変更など、遺言制度には他にもいくつかの見直しが行われることになっています。

自筆証書遺言がどう変わるのか、よくチェックをしよう

このように、今回の相続改正では、自筆証書遺言も見直しのポイントになっていることがわかります。被相続人の遺志を明確に次代に伝えることを目的とする遺言制度の改正。しっかりとチェックしておきたいものです。

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