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40年ぶりに大きく変わるといわれる相続法 何が変わるのか? 第5回 寄与分制度の見直し

(写真=Dmytro Zinkevych/Shutterstock.com)

民法の相続に関する規定(相続法)が、大きく変わろうとしています。国会での審議が予定通り終了すれば、2019年にも施行されるという改正相続法。その変化のポイントを探るシリーズ、第5回目のテーマは、寄与分制度の見直し。特に今回の改正では、子どもの配偶者など実質的に介護や看病に関わった人に対しても、その貢献分を金銭に換算して請求できる権利が盛り込まれているとか。その内容をチェックします。

「寄与分」という考え方

複数の相続人にどのような割合で遺産を割り当てるかは、民法の相続に関する規定(第5編)のうち、第3章第2節のなかで細かく定められています。

例えば「子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は各二分の一とする。」「配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。」などがその具体的な内容です(民法第900条)。特に遺言などで故人の遺志が明示されていない場合には、ここに示された割合で遺産が割り当てられることになります。

もっとも、その通りに分けるだけでは不公平が生じるケースもあります。被相続人の存命中、その財産を形成する、あるいはそれを維持するにあたって、特定の相続人が力を貸しているという場合です。そんな場合、特に努力をしてこなかった人と同等の権利しか認められなかったとしたら、フェアとはいえません。

そこで、相続財産の増加あるいは減少防止に貢献したと認められる相続人の相続分については、その他の相続人よりも優遇しようという考え方に基づいて定められているのが「寄与分」という制度です。

「寄与分」として認められる貢献の内容は、以下の通りです。

共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。(民法第904条の2、第1項)

相続人以外の親族に「特別寄与料」を認める

しかし、現行の制度で寄与分が考慮され、相続分が上乗せされるのは、あくまで「相続人がどれだけ貢献したか」によります。

例えば、相続人の配偶者(例えば息子の妻)などが義父母の介護をしていた場合など、相続人ではない立場の者が「貢献」したとしても、相続人本人ではないので寄与分としては考慮されません。

これは以前から不公平ではないかと指摘されてきたことですが、一方で、高齢化の進展によって、こうしたケースは今後ますます増えていくことが考えられます。

順当に進めば来年施行されることになる改正相続法では、この「寄与分制度」にも見直しが行われています。

改正案では、相続人以外の親族が無償で介護などの労務提供を行い、財産の維持増加に特別の寄与があったと認められる場合には、これらの親族が相続人に「特別寄与料」として金銭を請求できる権利を認める制度を新設するとしています。「無償で」とあるのは、この寄与者が生前に相応の対価を受け取っている場合には、寄与料の請求はできないことを指します。

なお、ここで認められているのはあくまで「被相続人の親族」。これもまた課題になっている内縁の妻など、法律上は被相続人とまったく身分関係のない人の貢献に関しては、今回の改正では見送られています。

また、実際に「寄与分」を算定するにあたり、その「貢献」の内容、度合いをどのように測るのかといった細部は、まだ明らかになっていません。しかし、高齢化社会のますますの進展のなか、立場によってこれまで認められていなかった介護に「価値」が付けられたことは、大きな進展といえるのではないでしょうか。

寄与分制度の見直しが与える影響を確認しておこう

このように、改正相続法によって寄与分制度の見直しがあることが分かりました。寄与分制度は聞き慣れない言葉かもしれませんが、上述したようにしっかり内容を把握すると、自分ごとに置き換えて考えることができるでしょう。介護にもこのように価値が付くようになれば、これまでとは違った考え方が生まれる可能性がゼロではありません。あなたも今回の寄与分制度に注目をしてみませんか。

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