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企業型DC(企業型確定拠出年金)は、会社経営にとって得か?損か?

(写真=Aaban/Shutterstock.com)

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」ほど注目されていませんが、企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入する企業が増えています。個人で老後に備えるためのiDeCoに関する情報は多いものの、経営者側からみる企業型DCの姿を知る機会はそれほど多くありません。今回は、企業型DCのメリットとデメリットについて経営視点でそれぞれ考えてみます。

企業型DCを導入する企業が増加

企業型DCは、現役時代に拠出した(納めた)掛金を運用し、その資産をリタイア後の生活保障に役立てるための制度です。企業型DCの実施事業主数と加入者数は増加し続けています。厚生労働省の「確定拠出年金の施行状況(平成29年7月31日現在)」によると、2017年6月末の実施事業主数は2万7,465社(新規加入事業主数 269件)、加入者数は約628万人(新規加入者 51,666人)となっています。

企業型DC導入による経営上のメリット&デメリット

実施事業主数が増えている背景を探るため、企業型DCのメリットとデメリットを見てみます。

● メリット
・ 企業型DCは確定給付型と違い、運用実績が思わしくない場合の積立不足を企業会計から補てんする必要がありません。企業が支払い責務を負う債務(退職給付債務)がなくなれば、経営を圧迫する要因の1つが解消されます。経営上、大きなメリットと言えます。

・ 払い込んだ掛金分は、社員の給与額から控除されます。そのため、給与額が下がるとともに社会保険料も軽減され、事業主負担が減額されることがあります(掛金による)。

・ 全社員が加入しなければならないわけではなく、社員それぞれのライフスタイルに合わせて加入時期や掛金を決めることができます。また、社員が転職する場合も運用していた資産は持ち運ぶことができ(ポータビリティ)、少ない事務コストで手続き可能です。

万が一、会社が倒産しても社員が拠出し運用していた資産には影響を与えません。時代のニーズに合わせたこのような福利厚生の環境が、社員採用にあたって有利にはたらきます。

● デメリット
・ 制度の切り替えにあたり、給与システムの変更や導入コストの負担、社員向けの投資教育コストが新たに発生します。

従来の確定給付型から切り替えるための時間やコストはかかりますが、運用が始まれば経営サイドにとって企業型DCはメリットの多い制度といえるのではないでしょうか。

企業型DCと退職金はどちらも老後の資金、何が違うのか?

DC制度では、60歳を超えると一時金(退職金)か年金で受け取ることができます。景気や運用が右肩上がりに伸びていくことが難しい昨今の社会情勢や、前項でみた積立不足のリスクを避けるといった理由で、従来の退職金制度から確定拠出年金に切り替える企業も増えています。企業型DCと退職金がどう違うのか、以下にまとめました。

  企業型DC 退職金
掛金を出すのは? 会社または個人
(共同で積立するケースも)
会社
積立金の運用主体 加入者自身が運用の方針と商品を決める 会社が運用方針を決める(社外積立の場合)
将来、いくら受け取れる? 掛金(拠出)の金額と運用実績によって受け取り額が決まる 社内規定で決められた金額
転職したら? 運用中の資産をそのまま転職先へ移せる 退職した時点で勤続年数によって決められた金額を受け取る
会社が倒産したら? 個人口座で運用しているため問題なく継続できる 社内積立では一定限度しか保全されないことが多い
税制優遇 掛金はすべて所得控除され、運用益・利益・配当は非課税となる。受給時は、退職所得控除(一時金)、公的年金等控除(年金)の対象となる 受給時は、退職所得控除の対象となる

会社経営サイドからすれば、確定給付型のように積立不足を企業会計から補てんしなくてもよいことが、企業型DCの最も魅力的なメリットではないでしょうか。とはいえ、企業型DCは1つの形ではなく、企業規模や運用体系によってさまざまです。

IFAをはじめとするプロのアドバイスを受けながら、自社に最適な企業型DCの姿を研究し、導入したいものです。

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