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ファンドラップで市場拡大。手軽さと手数料のバランスに注意

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(写真=Ai825/Shutterstock.com)

昨今、金融機関が力を入れてセールスしているのが「ラップ口座」と呼ばれるサービスです。これは、個人が証券会社や信託銀行などと契約を結んで資産運用を一任する金融商品です。日本では2004年の法律改正によって解禁になり、アベノミクスによる運用機運の高まりを受けて普及が進みました。

運用をプロにお任せできる便利さがある反面、手数料など利用者がチェックすべき部分もあります。詳しく見ていきましょう。

ラップ口座のすそ野を広げたファンドラップ

もともとラップ口座(投資一任サービス)は富裕層向けのサービスで、最低でも数千万から億単位の資産の預け入れが必要でした。運用商品は株式、債券、投資信託など多岐にわたるのが特徴で、SMA(Separately Managed Account)とも呼ばれています。

一方、ファンドラップはその名に「ファンド」がついている通り、運用商品は原則「投資信託(ファンド)」です。金融機関は、顧客へヒアリングをもとに運用スタイルを判断し、異なるタイプのファンドを組み合わせてポートフォリオを組みます。

ただし、実際にはあらかじめスタイルごとに設定された複数のコースに当てはめ、運用するというパターンが多いようです。最大の特長は、最低投資金額が300~500万円程度からと、SMAと比べて大幅に低いことです。手軽に始められるため、投資に苦手意識を持っている高齢者層が退職金の運用などを任せるケースが多く、大手証券会社や信託銀行を中心に顧客の取り込みが加速しています。

手数料を上回るリターンを実現できるかが鍵

金融機関がラップ口座の獲得に熱心な理由はいくつかあります。金融機関の収入源は株式や投資信託の売買による販売手数料が主であるため、営業担当者は顧客に商品の乗り換えを促す傾向がありました。金融機関のこのような「あり方」については、顧客本位の姿勢ではないことから、問題視される傾向にありました。

ラップ口座では売買に対する手数料は都度かからず、口座利用の手数料としてひとまとめにされています。これにより過剰な売買へのインセンティブは働かなくなり、顧客本位の運用スタイルに近づけることができます。

金融機関がラップ口座の獲得に熱心なもう一つの理由は、手数料収入です。ラップ口座に限らず、投資信託を保有している場合は運用管理費用として信託報酬が発生し、その額は年間0.3~2%程度が一般的です。加えて投資顧問料と管理手数料を合わせたラップ口座の利用手数料がかかります。

金額は契約資産の時価評価額に対して1~2%程度が主流で、これが金融機関の固定収入になります。つまり、ファンドラップ口座を持つ顧客は年2~4%前後の手数料を毎年払うことになります。これを上回るリターンを得なければ、資産が目減りしてしまうので注意が必要です。

付帯サービスやロボアドバイザーの登場にも注目

ラップ口座では、顧客向けの付随サービスも充実してきました。例えば、大和証券では円定期預金と同時に申し込むことで金利を上乗せするサービスや、運用成果に応じて社会貢献団体に寄付ができる「ダイワ社会貢献ラップ」を展開しています。三井住友信託銀行では年齢や契約金額によって、ガン・介護・傷害保障を付帯できたり、遺言信託の基本手数料が優遇されたりするなどの特典があります。

手数料に関しても、固定型に加えて運用益が出た場合にプラスする「成功報酬型」を併用している「SMBCファンドラップ」のような商品もあります。

2016年にはロボアドバイザーに運用を一任するサービスが続々と登場しました。手数料率の低さはもちろん、なかには10万円からスタートできる商品もあり、注目を集めつつあります。

また、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)がラップ口座を仲介し、ポートフォリオへの助言を行うことで、より効率的な資産運用を目指す動きも出てきました。便利さとリターンのバランスを考え、ラップ口座とうまく付き合っていきたいものです。

今後もラップ口座の新しい動きに期待

これまでは「お金持ちの資産運用」と思われていたラップ口座も、法改正や各金融機関のサービスなどにより、身近な存在になってきました。

「ある程度まとまった資金があり投資に興味はあるものの、何に投資したらいいか分からない」という方は、ラップ口座での資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。

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