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今まで、長期の積み立てが根付かなかったワケ

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(写真=patpitchaya/Shutterstock.com)

これだけ金融サービスの情報があふれる時代になると、預貯金のみで資産形成をする人は少なくなるかもしれません。日本では長い間「投資」といえば、限られた一部の富裕層が資産を形成する手段だと認識する人が多くいました。

郵便局(現在のゆうちょ銀行)や銀行に資産を預けていれば、知らないうちに利息が増えていった時代は昔のことです。バブル崩壊を経て1990年代後半から日本経済はしばらく低迷しました。さらに追い討ちをかけた2008年のリーマンショックと、その後の日銀のゼロ金利政策などが重なり、ようやく人々は資産運用のための投資に関心をもつようになったといえるでしょう。

そうはいうものの、投資は投機と誤解されがちで、「大儲けすることもあれば、一生を棒に振るほどの大損をするリスクが高いもの」と考えている人もいるのが現状です。

「つみたてNISA」が2018年1月に始まりましたが、積み立てには興味はあるけれどしばらくは様子を見ようと思う人も少なくなかったようです。コツコツと長期にわたって少額の投資を行うスタイルが、なぜこれまで流行らなかったのか、背景を調べてみました。

外国人投資家の国内株式保有率が与える影響

国内では「つみたてNISA」を含むNISA関連やiDeCo(個人型確定拠出年金:イデコ)などが普及し、投資に感じていた人々の心理的な垣根が低くなりつつあります。これにより、「最近はじめて株を買った」という人もいるのではないでしょうか。

実は、日本の株式市場では外国人投資家の株式保有比率が年々上昇傾向にあります。日本取引所グループによる2016年度の「株式分布状況調査」では、多少の増減はあるものの、1995年以前は外国人投資家の株式保有比率は10%だったのが、2015年には30%と3倍に増加しました。

(出所)日本取引所グループ「2016年度株式分布状況調査の調査結果について」より

今や、日本の株式を最も保有しているのは外国人投資家で、その次に信託銀行、生損保などの機関投資家や事業法人が続いています。

大きく保有率を下げたのが都銀・地銀で、これは1995年から2000年にかけての証券会社の倒産や銀行の経営再建などが原因です。彼らが株主として保有していた株式が手放され、ヘッジファンドなど外国人投資家が安値で買っていたのはご記憶の通りです。

外国のヘッジファンドは、株価の動きにかかわらずショートスパンで売買を繰り返して利益を得るスタイルで、国内の個人投資家もデイトレードに見られるように、短期的な売買を繰り返している傾向があります。こうした現状が、株式の長期保有を定着させにくい土壌を作っていると考えられます。

売買手数料の「うまみ」がなく、金融機関は消極的

一方、「つみたてNISA」やNISA関連商品、iDeCoなどをメディアで取り上げることも多く、投資を経験したことがない人でも投資信託への関心が高まっているにもかかわらず、金融機関ではそれほど熱心にこれらの商品を勧めてこないと感じたことはないでしょうか。

ここには銀行や証券会社のビジネススタイルに謎を解くカギがあるようです。というのも、銀行は顧客が金融商品を売買することで発生する売買手数料で儲けを生み出してきたからです。「つみたてNISA」のように長期にわたってコツコツ投資し続けるスタイルは、売買の手数料で儲ける金融機関にとって「うまみ」があまり感じられない制度とも言えるのかもしれません。

「つみたてNISA」はトリガーになるか

2018年1月からスタートした「つみたてNISA」は、買付手数料が発生しません。また、投資の初心者が不安を少なく長期に運用するために信託報酬が高い商品は除外するなど、金融庁が厳しく条件を設定しており、手数料ビジネスを行なってきた金融機関には「うまみ」がほとんどないといえるかもしれません。

長期的な積立投資の代表格として「つみたてNISA」が、今よりさらに普及していけば、日本における長期の積立投資文化を根付くトリガーとなりえるでしょう。むしろ、税制優遇も含んだ「つみたてNISA」のメリットが広く認識されることこそが、トリガーとなる可能性を秘めています。

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