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IFA紹介シリーズ ―大辻 克幸(湘南証券年金プランニング株式会社)―

「401kが金融仲介業を変える」

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 米国ではIFA(Independent Financial Advisor)「インデペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー」を起用することで、大成功を収めた証券会社があります。日本ではまだIFAという言葉が知られていない時にその成功事例を知り、IFAにチャレンジした人もいます。今回は湘南証券年金プランニング株式会社で代表を務める大辻克幸氏に、IFAになった理由やその運用方針、投資哲学について詳しく話を伺いました。(取材:IFAオンライン編集部)

会社でできないから自分でやる

――IFAになったのはいつですか?

大辻氏: 私はIFAになるために2005年、準大手証券を退職しました。大学卒業後は証券会社に就職し、静岡県の富士、福岡県の北九州、神奈川県の大船、小田原などの支店でリテール営業をしてきました。最後は準大手証券の営業本部で都内勤務でしたが、それまではずっと地方でした。

 当時、IFAとして活動している人はほとんどいませんでした。2004年に改正証券取引法が施行されて、金融商品仲介業が始まり、ある大手証券がIFAの部署を立ち上げたというので、説明会を聞きに行ったのですが、自分の考え方と違っていました。そこで、IFAとして自分を受け入れてくれる別の証券会社を探すことにしました。あるオーナー系中堅証券で私のやりたいことを説明したところ、「私たちもそういうことを考えていました。ぜひやって下さい」といわれたので、あるオーナー系中堅証券でIFAとしての第1歩を踏み出しました。

――なぜIFAになろうと思ったのですか?

大辻氏: 当時、アメリカでは、エドワードジョーンズやチャールズ・シュワブといった証券会社が、金融商品の販売チャネルをIFAにすることで大成功を収めていました。エドワードジョーンズは2003と2004年に、米国のビジネス誌である「フォーチュン」が発表する「働きたい会社トップ100」で、2年連続NO.1に選ばれています。私はその時、準大手証券の営業本部に勤務していました。エドワードジョーンズの事が私たちの話題に上り、「なぜそうなったのか」ということに強い興味を覚えました。

 ちょうどその頃、営業企画部の人間がアメリカに渡り、証券会社の事情や金融市場について調査したリポートを書きました。それを読んで、「日本にもいずれそういう時代が来るだろう」と確信したのです。

 残念なことに、日本の証券会社は、やっていることが顧客目線からかけ離れていると、営業本部に入って気が付きました。そして、アメリカのことを知れば知るほど、自分が証券会社の営業マンとしてやってきたこととのギャップを、強く感じるようになったのです。

――日本とアメリカの違いとは?

大辻氏: 証券会社は基本的に手数料の商売です。店舗のシャッターを開けたら、今日はいくらコストがかかるのか、赤字にしないためには商品をどれくらい売らなければならないのかというように、必然的に数値目標を立てることになります。IFAが営業で収益をあげるには時間がかかります。アメリカのエドワードジョーンズも手数料で利益を上げていますが、IFAには時間的猶予が与えられていたのに対して、日本の証券マンには時間が与えられていないと感じました。だから自分でやるしかないと思ったのです。

営業マンとIFAの違いは時間の使い方

――時間が与えられていないとはどういう意味ですか?

大辻氏: 投資はタイミングが重要です。もし、お客様が証券会社の店頭に1,000万円をお持ちいただいたとしたら、証券会社の営業マンは“ハイっ”という感じで、一つの商品を全額購入させてしまうのです。本当は時間分散した方が投資リスクは減ります。もちろん、営業マンもそんなことは知っています。本当は今回100万円だけ買って、来月また100万円だけ買って、1年かけて1,000万円分を買いましょう。商品も一つに絞るのではなく、3種類に分けて買いましょうとアドバイスするべきなのです。しかし、そうなっていない。

 その理由は、証券会社のビジネスモデルが限界にきているからだと思うのです。もちろん、コストがかかるのは証券会社だけではなく、金融業界すべてが大きな装置産業になってしまっていて、それを維持するためには、そういう行動をせざるを得ない。だとしても、証券が顧客にリスクを取らせるのは違うのではないかと思うのです。別に証券会社だけではなく、保険会社もそういう方向かなと感じたので、これはもう「自分でやるしかない」と思いました。

――欧米のように日本もIFAが普及すると考えたのですね? 

大辻氏: むしろ日本に合うだろうなと思いました。日本の投資家は、金融知識や投資のノウハウがあるかというと、あまりありません。なぜかというと、これまで金融機関が教えてこなかったからです。「賢明な投資家」が育ったら困るというか、「私たちに任せてください」という考え方が根本にあって、「任せてくれる投資家をたくさんつかんだ営業マンが優秀なのだ」という考え方なのです。それに対して、アメリカはお客さまに「賢明な投資家」になってもらおうという考え方のように思います。

 しかし、「賢明な投資家」になるまでは時間がかかります。時間がかかるというのは、ドルコスト平均法のような分散投資のことだけではなく、投資家を育てるための時間という意味も含んでいます。日本はそういう状況なので、客観・中立な立場でアドバイスするIFAは必要な存在になると思いました。

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確定拠出年金で仲介業が変わる

――金融商品仲介業者となったのは2005年ですね。

大辻氏: 私たちのように起業して金融商品仲介業者になったところはほとんどありませんでした。当時はある大手証券などがグループの系列会社で仲介業をしていました。弊社の登録番号は141番です。それよりも若い番号もほとんどが金融機関の系列会社で、個人事業主はなかったと思います。

 準大手証券時代の部下たちと数名で始めて、現在は全国で9店舗。社員は47人。顧客数5,000人超、預かり資産200億円超です。保険契約も2,000人を超えました。確定拠出年金は導入件数31社を超えています。今、一番売りたいのが確定拠出年金です。エドワードジョーンズがなぜ大きくなれたかというと確定拠出年金なのです。確定拠出年金や積立型の投信を販売して会社が成長しました。アメリカでは誰でも確定拠出年金に加入できるようになって、金融商品仲介業は大きくなったのです。

 先日、日本でも確定拠出年金の加入対象を広げる改正法案が衆議院を通過しました。主婦も公務員も加入できるようになり、これで誰でも入れるようになりました。日本もこれから一気に変わると私は見ています。

確定拠出年金を日本全国の中小企業に

――湘南証券年金プランニングでは、今後どのようなサービスを提供するのでしょうか?

大辻氏: 弊社ではSBI証券さんと協力してセミナーを開催しています。セミナーに来て下さったお客さまには商品の説明など一切しません。なぜ投資が必要なのか、なぜリスクを取らないといけないのかという話をします。「あなたは65歳、70歳になった時にどうしていたいですか」と問いかけるセミナーを行います。そうすると、「100万円を儲けたい」「1,000万円を儲けたい」という話にはならないのです。

――資産運用の目的をはっきりさせるということですか?

大辻氏: そうです。将来2億円を用意しましょうとか、65歳以降は最低5,000万円が必要ですとかわかるのです。それを達成するためにはどうするべきなのかという話になるのです。若い時に始めれば積立金額も少なくて済みます。むしろ、若い時のほうがリスクテイクできるという話をします。例えば、子どもが早く結婚して独立してしまった。すると生命保険をかける意味がなくなります。その場合は年金に切り替えましょうという提案をします。資産ポートフォリオは事あるごとに見直して、リバランスしながら運用するものなのです。

 そうしたアドバイスをしながら、今は確定拠出年金をご提案させていただいています。金融商品の販売というよりも導入を提案します。経営者に理解してもらい、従業員に理解してもらい、就業規則や育児介護規定などをすべて整えてもらい、厚生労働省に書類を提出します。本当に時間がかかります。それでも確定拠出年金の導入に取り組むのは、これからの日本が大きく変わると思うからです。

――営業の中心は確定拠出年金ですか?

大辻氏: そうですね。確定拠出年金のメリットを簡単に申し上げると毎月積み立てるので時間分散した投資になります。また、税の優遇措置があるので税金対策にもなります。確定拠出年金の導入は会社の考え方次第で決まりますが、基本的には導入すると経費の節約につながります。そして、社員の投資教育にもなるのです。それが分かってもらえれば、導入する会社は増えるでしょう。詳しく知りたい方は、ぜひ直接尋ねて下さい。これからは大企業だけでなく、中小企業への導入を目指します。それはIFAである私たちが推進していきたいと思っています。

大辻克幸 代表取締役

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湘南証券年金プランニング株式会社(金融商品仲介業者 関東財務局長第141号)
http://www.shonansec-planning.com/
本社 〒251-0052神奈川県藤沢市藤沢971―1REVER藤沢ビル5F
TEL0466-23-5111

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