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IFA紹介シリーズ ―中桐 啓貴(ガイア株式会社)―

「かかりつけ医師のような資産運用サービスを目指す」

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 IFA(独立系金融アドバイザー)にはFP(ファイナンシャル・プランナー)を兼務している人も少なくありません。東京新宿にあるGAIA(ガイア)株式会社という独立系FP事務所は、総勢15名の所属FPが、お客様1人に対して2人1組で対応する仕組みで、ライフプランの設計や資産運用のコンサルティングを行うなど、組織的なチームプレーでサービスを提供しています。多くのIFAが金融のプロとして単独でお客様に接するケースが多いことを考えると、一線を画した珍しいスタイルともいえます。

 そこで今回は、「会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方」「損しない投資信託」の著者としても知られる同社代表の中桐啓貴氏に、ガイアのサービスや資産運用の方法などについて詳しくお話しを伺いました。

アメリカで知ったIFAの存在

――まずガイアについて教えて下さい

中桐氏: 2006年2月に設立しました。10年が経ち、現在は11期目になります。社員数はFPなど26名です。5,000万円から1億円以上の資産を保有されるお客様が多く、顧客数は600人以上、預かり資産は約200億円です。

 私は1997年に山一證券に入社しました。その年の11月に山一證券は自主廃業を発表しました。その後、多くの山一元社員がメリルリンチ日本証券に移りました。私もその中の一人として、メリルリンチに入り、富裕層向けのリテール営業をしていました。営業成績が良いと年に数回、アメリカに研修に行かせてもらえます。アメリカの証券会社には転勤が無く、お客様に商品を売ったり買ったりしてもらうのではなく、長期保有を前提に投資信託を買ってもらい、お客様の話を伺いながら、資産運用をしていくということを知りました。実はガイアが提供するサービスもほとんど同じで、その時に現在のビジネスの原型を学んだといえると思います。

――米国留学の経験があるそうですね

中桐氏: 私はメリルリンチで5年間富裕層向けのビジネスを経験した後に、ボストンにあるブランダイス大学院でMBA(経営学修士)を取得しました。ブランダイスは金融に強い学校として知られていたので進学しましたが、実は大学院の隣にSBI証券のようにIFAを支援している証券会社がありまして、その証券会社を見学した時に、IFAという職種があるということや、アメリカ国内ではIFAとして活躍する人が増えている事を知りました。

 私は大学院で投資クラブを主催していました。投資クラブのメンバーと連れ立って、いろいろな会社に見学に行きました。アメリカの大学で投資クラブは珍しくありません。例えば、大学から3万~5万ドルを預かり、学生が運用することがあります。私は自分のお金で1万ドル程度を用意して、一緒に運用する仲間を10人ぐらい集め、2年間運用しました。最終的には大学も私たちの活動を認めてくれて、約5万ドルの資金を預かることになりました。

――実際にそこでIFAの人たちの活動を知ったのですね

中桐氏: 社会見学で訪問した証券会社のひとつが、コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークでした。会社にはサーバーがいっぱいあって、IFAのためにインフラを提供する裏方の証券会社という印象でした。販売管理費をできる限り抑えて、その分をIFAに還元するような発想で経営していることを知りました。また、大学院でお世話になった教授はIFAと相談しながら実際に資産運用をしていました。そして、私に「将来、日本でもIFAビジネスが広がるだろう」と話してくれたんです。それで日本に戻り起業することにしました。

著作が本業のビジネスを成長させてくれた

――ゼロからのスタート、苦労されたことも多かったのでは?

中桐氏: 私はメリルリンチでトップセールスになりましたが、それは、アメリカに親会社のある日本法人の役員たちに「あなたのストック・オプションを換金しましょう」という営業を行い、それが非常に当たったからなのです。新しい会社では、そういう仕組みを用意したいと思っていました。そこで、投資セミナーを開催したり、時にはワインを楽しみながら投資について考えたりという、いわゆる「企画モノ」のイベントを多数開催しました。しかし、最初からうまくはいかなくて、なかなかお客様を獲得できませんでした。

 ところが、あるパーティーで偶然に一緒になった編集者の方が、私のブログも読んでくれていて、投資に関する本を出さないかという話になったんです。2007年の5月に本を出したら、それが3万部ほど売れまして、その本を読んでくれた読者の方々がどんどんとお客様になってくれました。あの本が無かったら、会社をたたんでいたかもしれません(笑)。

 その後、私は2009年に、「投資信託を見直そう」という内容の本を書きました。2008年9月にリーマン・ショックが起こり、世界経済は危機的な状況でした。当時、リーマン・ショック前に大手の金融機関に勧められるままに、BRICSなど新興国の投資信託を購入してしまい、大きな損が出ている人たちがたくさんいました。そこで私は、「なぜ生命保険は見直しがあるのに、投資信託にはないのか」ということを問いかけたんです。投信見直しセミナーには、毎回お客様が何十人も集まりました。ハイリスク・高分配型の投信を買ってしまい、途方に暮れているシニア世代の方々が多く、その方々がお客様になってくれたのです。

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親子二世代の「かかりつけ医師」のようなFPを目指す

――FP2人体制でお客様にアドバイスをするスタイルはいつからですか

中桐氏: その仕組みは最近導入しました。私たちは毎年、アメリカで開催されるFPAというイベントに参加します。全米から3,000人程度集まる大きなイベントです。その時に必ず、FP事務所を見学するんですが、2年前にシアトルのFP事務所を訪問したら、2人1組でお客様に対応する仕組みでコンサルティングをしていました。大変に合理的な方法だと思い、導入することにしました。

 弊社のサービスの基本は顧問FP契約です。会員になったお客様とは半年に一度、必ず面談をします。私たちは金融商品や保険商品を売りっぱなしにしません。また、私たちで対応できないような法務の相談などを受けた場合は、弁護士をご紹介させていただくこともします。毎月会員向けに、「GAIAclub」という会報誌を発送し、月次会議で話し合った内容を元に、市場動向やFPが注目しているニュースをお伝えしています。また、会員向けイベントとして、FUNDEXPOという運用会社から投資信託の状況等を直接説明して頂くセミナーや、積み立て投資や相続に関するセミナー、その他、文学や断捨離(だんしゃり)セミナーなど、資産運用とは関係のないイベントも実施して、お客様との接点を増やす努力をしています。

――二世代ファミリープランという新サービスを始めたそうですね

中桐氏: アメリカにはいろいろとヒントがあります。2015年にボストンを訪問した時に、アドバイザーを使いながら資産運用をしてきたシニア世代から次世代への資産継承が既に始まっていて、IFAの人たちが家族全体の資産管理を請け負うスタイルを始めていたんですね。そもそも当社の顧問FPサービスの年会費には、ご両親やお子様のプランニングも含まれているのですが、私たちも一家全体のご相談に応じられるよう、更に強化していきたい考えです。

 コンセプトは「二世代プライベートFP」で、一家のかかりつけのお医者様のようになりたいと思っています。金融商品は星の数ほどあるので、自分で選ぶとすごくストレスを感じられると思います。お医者様が自分の症状や身体に合った薬を処方してくれるように、信頼できるアドバイザーに頼めたら、かなり安心できますよね。

 お客様と顔を会わせただけで、その方の状態が分かるようになりたい。大病院ではなくて、密接な関係を持つ「かかりつけ」の役割を担い、寄り添うようなサービスを提供していきたいと思っています。

――ポートフォリオは外部専門家の意見も取り入れると伺いましたが

中桐氏: お客様に提供するFPクオリティを均一化するため、当社ではモデルポートフォリオを作り、そこから各FPがお客様のリスク許容度やご意向に合わせて、個別のポートフォリオを提案しています。2008年から毎月、投資政策委員会というものを開催しており、代表の私、ポートフォリオ・マネジャー、FP陣に、外部から招へいした、金融ストラテジスト、エコノミスト、ファンド・アナリストの3名を加え、今後のマーケット見通しなどを議論しており、モデル・ポートフォリオの維持にも活かしています。

 証券会社で働いていたことが反面教師になっているのですが、例えば、稼いだ手数料の3割が報酬になるような歩合制で経営すると、結局、どんどん回転売買させようということになってしまうと思うんです。だから、弊社はFP全員を正社員として雇用し、固定給で支払い、大きな方向性は会社が決めるようにすることで、お客様に提供されるサービスの品質を担保するようにしました。

――いわゆるIFAの事務所とはかなり違いますね。

中桐氏: 組織的な運営を目指しています。IFA個人にお客様が付くというよりも、会社と長期的にお付き合いをしていただく努力をしています。ですので、ガイアというブランドや考え方を大切にしています。成績のいいファンドを保有している個人投資家の方の資産運用がすべていい成績になっているとは限りません。長期的にリターンを取るためには、IFAのような専門家のアドバイスが必要なのではないかと思います。日本の20年先を行くと言われる欧米において、IFAビジネスが成長産業として確立しているように、証券会社でも銀行でもないIFAという新しいアドバイザーの形は、今後日本でも益々広がっていくと思います。

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GAIA株式会社(関東財務局:金融商品仲介業第235号)
〒160-0023東京都新宿区西新宿3-2-11新宿三井ビルディング2号館10F
TEL03-6302-0200 MAIL info@gaiainc.jp

ファイナンシャルプランナー・IFA 中桐啓貴 代表取締役社長
山一證券を経てメリルリンチ日本証券で富裕層向けの資産運用コンサルティングに従事。その後米国ブランダイス大学でMBAを取得。帰国後2006年にGAIA株式会社を設立し、資産運用およびライフプランのコンサルティング業務に携わる。主な著書に「会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方」「損しない投資信託」などがあり累計10万部を超えている。代表ブログも更新中。http://ameblo.jp/boston/