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法律施行で始まる休眠預金の活用

(写真=PHENPHAYOM/Shutterstock.com)

昔、口座を作ったけれどもその銀行は使わなくなり、残額もそれほど多くないのでそのまま放置している、という銀行口座を持っている人は多いと思います。本人が把握しながら放置しているものもあれば、すっかり忘れられているものもあり、また亡くなった人の口座が遺族に知られることなく放置されているケースもあります。

このような口座にある預金の活用を巡って近年、活発な議論が行われてきました。

休眠預金活用法が成立 2018年1月から施行

金融庁の発表によると、預金者等が名乗り出ないままになっている休眠預金は、払戻額を差し引いても、毎年700億円程度にのぼっています(平成25~27年度)。

このお金をそのままにしておくのではなく、有意義に活用することはできないか、という観点から議論を重ねて成立したのが『民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律』で、2016年12月9日に公付、2018年1月1日から施行されます。

一般的に、休眠口座の取り扱いについてのルールは、各金融機関が独自に設定しています。各行で細かい規定はあるものの、ほとんどの銀行では10年間取引がない口座は休眠口座として扱われます。ただし、りそな銀行のようにその期間を2年間と設定している場合もあり、対応はまちまちです。

今回の法律では各行の休眠口座の定義によらず、「休眠預金」を定義の対象とし、その内容を「10年以上、入出金の“異動”がない“預金等”」としています。

何が“異動”に当たるのかは、各金融機関が金融庁の認可を受けることで独自に設定することが可能なため、入出金だけでなく通帳の記帳や発行、残高照会、住所変更などの顧客情報の変更を含めることもできます。また“預金等”は、預金保険法・貯金保険法の対象商品に限られ、財形貯蓄などは含まれません。

休眠預金はいつでも払い戻ししてもらえる

法律の施行により、前述の条件に合致する預金が自動的に休眠預金として認定されるわけではありません。まず2018年1月から金融機関が預金者に向けて、上記の条件に該当する可能性がある預金等があることを通知します。預金者と連絡がつかない場合にはHPで公告を行った上で、ペイオフ制度の運営主体でもある預金保険機構に移管される仕組みです。この預金が活用の原資となります。

上記のプロセスを経て、休眠預金に認定されてしまったとしても、預金者はいつでも休眠預金の払い戻しを受けることができます。また、払戻しは預金元本に利子を加えた金額で行われます。通帳やキャッシュカードを紛失している場合でも、身分証の提示で払い戻しが可能な場合がありますので金融機関に問い合わせてみるとよいでしょう。まずは預金がいくらあるのか知りたいという場合も、金融機関に情報提供を求めることが可能です。

社会的問題を解決する原資として活用

預金保険機構に移管された休眠預金はどのように使われるのでしょうか。法律では、休眠預金は以下の3つに該当する「公益に資する活動」に活用することを定めています。資金として活用することにより、国や地方公共団体が対応することが難しい社会的な問題を解決することが目的です。

1. 子ども及び若者の支援に係る活動
2.日常生活又は社会生活を営む上での困難を有する者の支援に係る活動
3.地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る活動

上記に該当するニートや引きこもりの若者の支援団体、ホームレスやDVなどの社会的問題に取り組む団体、古民家を活用した街づくりを行う団体などが対象となることが想定されており、実際の支援対象は公募を通じて決定される仕組みとなっています。

イギリスや韓国では、すでに休眠預金を検索することができるシステムを開発・導入しています。日本でもスムーズな活用開始が期待されます。

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