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相続税が数千万円単位で増減する!? 小規模宅地等の特例とは

(写真=designer491/Shutterstock.com)

「小規模宅地等の特例」とは、相続される宅地が、被相続人の自宅だったり、事業に使われたりといった場合、ある一定の面積までは、相続税の評価が大幅に減額されるという特例制度のことです。減額される割合は最大8割にもなるので、利用できるのであればぜひ利用したい制度なのですが、実は2010年以降、細かく変更が行われているうえ、適用にはさまざまな細かい条件設定もあります。

そのため、場合によっては「制度が適用できると思っていたのにダメだった」「実は使えたのに使わず、多額の相続税を払ってしまった」なんてことが起こる可能性も。そんな事態を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか。

「小規模宅地等の特例」で、相続税がゼロになることも

「小規模宅地の特例」――より正確に言えば、「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」は、国税庁のサイトによれば、おおよそ次のような制度ということになります。

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個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。
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ここでは対象となる土地に関し、「被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等」とひとまとめに言っていますが、相続前にどのような形で利用されていたかによって、限度面積、減額される割合については差があり、また、「相続の開始のあった日」(基本は、被相続人が亡くなった日)が平成27年(2015年)1月1日以後か、あるいは平成26年(2014年)12月31日までかによっても違ってきます。

例えば、亡くなった人が直前まで自宅として住んでいた土地であれば、平成27年(2015年)1月1日以降の相続開始なら330平方メートルまで、平成26年(2014年)12月31日以前の相続開始なら240平方メートルまで、80%の減額割合が適用されます。

また、この「減額割合」は、あくまで「相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上」であることにも注意が必要です。つまり、この特例で減額された評価額に、その他相続される預貯金などを足しても基礎控除額を下回るようなら、最終的に相続税はゼロということになります。

「同居」の定義で適用が認められないケースも

このように、相続税額を大きく左右する「小規模宅地等の特例」ですが、その制度にはしばしば変更が加えられていることには注意する必要があります。

特に平成22年(2010年)には、適用条件を厳しくする大きな改正が行われています。しかし平成27年(2015年)の相続税改正で基礎控除が縮小されたことなどから、今度はその救済措置として条件の一部緩和が行われるなど、繰り返し制度変更が行われています。

また、基本、特例が使えるのは、相続人が亡くなった方(被相続人)の配偶者か、あるいは同居の親族ということになっていますが、例えば別居の親族であっても、一定の条件(被相続人に配偶者、あるいは同居の親族がいないこと、など)を満たせば適用可能の場合があります。一方で、一定期間同居している親族であっても、自宅と呼べる家が別にあると適用できないケースもあったりします。

なにしろ、この特例が適用できるかできないかで相続税が数千万円単位で増減することもあるというくらい、影響力の大きい制度。少しでもわからない点があれば、税理士などの専門家に早めに相談してみるのがよさそうです。

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