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三方よしの教育資金一括贈与非課税制度

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(写真=Namning/Shutterstock.com)

2013年度の税制改正において導入された、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」。この仕組みに基づいて、新たに創設された信託が「教育資金贈与信託」で、2013年4月にスタートしてから2017年9月までに、契約件数が18万件を突破しました(一般社団法人信託協会の「信託の受託概況」より)。

何故、このような高い需要があるのでしょうか。前提となった「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の内容とともに、「教育資金贈与信託」の仕組みとメリット/デメリットについて探ってみました。

「一括贈与」でも教育資金が非課税になる特例がスタート

もともと、贈与税とは原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかるもの。もちろん、親が子供どもを育てるにあたっての生活費や教育費にはかからないのですが、これには条件があります。

国税庁によると、生活費や教育費として必要な都度、直接支払われるものに対しては贈与税がかかりません。しかし、名目上は生活費や教育費であっても、受け取った資金を預金・株や不動産購入資金などに当てた場合は、贈与税がかかります。

ここで重要なのは「必要な都度」という文言。例えば、祖父母が孫の教育費を負担してくれるという場合でも、「よし、入学金は出してやろう」という場合は「その都度」なので贈与税はかかりません。しかし、「この子がこれから大きくなる間の教育費に充てておくれ」と、まとまったお金を出してくれたような場合には、贈与税がかかってしまうことになります。

これに対し、祖父母など直径尊属から教育資金を一括で贈与された場合でも、一定の条件を満たせば贈与税が非課税になるという特例を設けたのが、2013年度の税制改正において導入された、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」というわけです。

その「一定の条件」には、「直系尊属と信託会社との間の教育資金管理契約に基づき信託の受益権を取得」することなどが定められています。これらの条件に従って組み立てられたのが、信託銀行等による「教育資金贈与信託」というわけです。

「教育資金贈与信託」はどんな仕組み?

具体的には、「教育資金贈与信託」を利用することで、祖父母から孫などへの教育資金贈与が1,500万円までなら贈与税がかからないという仕組みです(学校以外の教育資金の支払いに充てられる場合は500万円が限度)。

ただし、これには2019年3月31日までの間に信託されたものに限るという条件がついているほか、以下のような決まりごともあります。

・受益者(孫等)あるいはその代理としての親権者は、信託がされる日までに、教育資金非課税申告書等を、受託者(信託銀行等)を経由して税務署に提出する。

・教育資金が必要となった時には、受益者(孫等)は、受託者(信託銀行等)に対して信託財産交付請求を行う。また、払い出された金銭が実際に教育資金に充てられたことを証明する書類(領収書等)を、受託者に提出する。

・信託期間は受益者(孫等)が30歳になるか、死亡した日のいずれか早いほうで終了し、これ以外の信託期間は設定できない。また、信託財産を渡し終えた場合を除いて途中解約もできない。

・受益者(孫等)が30歳になった時点で信託財産を使い切っていない場合には、残額には贈与税がかかる。

また、上記の1,500万円という非課税の限度額はあくまで総額。父方、母方の両方の祖父母がそれぞれ1,500万円ずつという利用法はできないことにも注意が必要です。

このように、若干面倒な手続きや注意点などはあるものの、相続税対策などとして有効活用できる手段であることも確か。かわいい孫、子のためならば、このような制度があることは覚えておいて損はありません。

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