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一般社団法人への課税強化が始まった!その影響は?

(写真=maxsattana/Shutterstock.com)

2017年12月22日に閣議決定された「平成30年度税制改革の大綱」。これにより2018年4月1日より「一般社団法人」に対しての課税が強化されました。つまり、「一般社団法人」を使った相続税対策がこれまでのようにはいかなくなったということです。そこで、税制改革が行われた背景と今後の対策について解説していきます。

そもそも、「一般社団法人」とは?

民法では、契約の当事者(主体)を、大きく「自然人(人間のこと)」と「法人」に分類して規定しています。つまり、「法人」とは、法によって人間と同じように権利義務の主体となることを認められた存在ということです。

日本の民法では、法人を非営利目的の「公益法人」と営利目的の「営利法人」に分けて規定してきました。そして、商取引を行う「営利法人」については、民法の特別法である商法を設け、実態に合わせて法改正が行われてきました。

一方、「公益法人」については、明治の民法規定が約110年間存続してきましたが、主務官庁の許認可制度の裁量が大きすぎることや、事業分野毎の主務官庁の縦割りなどが問題視されてきたことから見直しが進められ、2006年国会において「公益法人制度改革関連3法案」が成立しました。その法案のうちの一つが「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」であり、「一般社団法人」とは、この法律によって認められた法人のことです。

「一般社団法人」を使った節税方法とは?

こうした経緯によって生まれた「一般社団法人」は、とても利用しやすいものとなりました。例えば、従来の主務官庁による「許認可主義」ではなく一定の要件を満たせば原則的に法人格を取得できる「準則主義」が採用されました。この結果、誰でも簡便な手続きで社団設立が可能になりました。

また、「社団法人」と聞くと、公益性の高い事業を行う存在と考えられるかもしれませんが、それは「公益社団法人」の話。「一般社団法人」の活動に制限はありません。このため、業界団体、スポーツ団体、福祉団体はもちろん、町内会や同窓会組織などでも「一般社団法人」は設立可能で、その法人名義でさまざまな社会活動を行うことができるようになりました。

一般社団法人は、法的には「非営利法人」と位置付けられますが、収益事業を行うことも可能で、不動産や株式などの財産を保有することもできます。つまり、かなり自由度の高い法人を、誰でも簡単に作ることができる改革が行われたのです。この手軽さもあってか、東京商工リサーチの調査によると2016年に新設された一般社団法人数は約6,000社で、5年間で1.6倍に急増しています。

さらに、「一般社団法人」には株式会社でいうところの「持分」という概念がありません。例えば、株式会社の創業経営者が死亡した場合、その保有する自社株は相続の対象となります。しかし、「一般社団法人」に適切な方法で自社株を移転しておけば、合法的に課税対象から外すことができました。

つまり、「一般社団法人」を設立して財産移転を行い、そして親族が理事となって当該財産の実質支配を行うのであれば、法律上の所有権は失うことになりますが、その財産から得られる利益を給与として受け取ることも可能になります。相続税を支払うことなく親族に財産移転したのと同じような効果が得られるということです。

実は、「一般社団法人」が急増した本当の理由は、このような節税目的とも見られており、度を超えた相続税対策が問題視されてきました。

今後はどのように課税されるの?対策は?

本来は社団法人の使い勝手をよくするために行われた法改正でしたが、節税目的の設立が横行し、本来支払われるべき税金が払われないとなると、国税当局も見逃すわけにはいきません。そこで行われたのが今回の税制改革。今回の改革では、以下の要件の片方でも満たす場合は、その「一般社団法人」は「特定一般社団法人」とみなされます。

1.相続開始直前における同族役員数の総役員数に占める割合が1/2を超えること
2.相続開始前5年以内において、同族役員数の総役員数に占める割合が1/2を超える期間の合計が3年以上であること

そして、「特定一般社団法人」において理事が死亡した場合、保有する財産を同族役員の人数で割った金額を算出し、その金額を被相続人から「特定一般社団法人」へ遺贈されたものとして、「特定一般社団法人」に相続税が課せられることになったのです。

相続プランの見直しもIFAに依頼してみては?

このように、今まで一部の専門家によっても推奨されてきた「一般社団法人」を使った相続税対策は、これまでのようには使えなくなりました。今まで温めていた相続プランを見直す必要が出てきた人もいるかもしれません。

見直しも含めて、このようなテクニカルな相続対策には専門家のアドバイスが欠かせません。現在検討中、もしくはすでに一般社団法人を設立してしまった方は、IFAに相談してみてください。

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