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黒田総裁続投!日銀人事から見る市場の関係性

(写真=Leonid Andronov/Shutterstock.com)

「物価の安定」と「金融システムの安定」を大きな役割の2本柱として掲げる、日本の金融政策の要が日本銀行(日銀)です。そのかじ取りが日本の金融政策に大きく影響し、今後の経済動向を左右する以上、執行部人事が注目を集めるのは当然のことだと言えるでしょう。黒田東彦総裁は2018年4月8日に任期満了を迎えたものの、続投が決定しています。また、黒田総裁以下の副総裁人事も決定しています。そこで、これら人事の「読み方」と、今後への影響などについて考察してみましょう。

日本銀行(日銀)人事を巡る動き

2018年は、1998年に新日銀法が施行されてからちょうど20年の節目でもあります。法改正のポイントとされたのは、日銀の「独立性」と「透明性」の向上です。これは、日本の金融の枠組み自体を見直そうという機運の中、諸外国での中央銀行の独立性強化の動きにも合わせて進められたものです。

しかし、内閣による日銀総裁解任権、財務大臣(当時は大蔵大臣)からの業務命令権などは法改正により削除されたものの、人事権は依然として政府が握っているなど、独立性の保持は不十分との指摘もあります。

2012年に第二次安倍内閣が成立すると、内閣は日銀総裁には財務省出身の黒田東彦氏を起用しました。黒田総裁は大胆な金融緩和に踏み切り、「アベノミクス」の牽引役も務めてきました。それ以後、日銀の運営は「官邸主導」の色合いが強まってきていると言われています。

こうした中、日銀執行部の任期満了を迎えることになりましたが、早々に黒田氏の続投が決定したことに加え、副総裁にも積極的な金融緩和と財政政策を主張する「リフレ派」を登用する意向を示しました。実際、決定した2人の副総裁うちの1人、若田部昌澄・早稲田大教授は、「リフレ派」の論客として知られた人物です。もう1人には、金融政策を立案する企画担当に長く携わってきた日銀生え抜きの実務派、雨宮正佳氏が就任することになります。このほか、正副総裁とともに金融政策決定に関わる審議委員(全6名)にも、リフレ派が複数就任しています。

今後の市場への影響は

こうした人事を巡る「官邸主導色」の強化と「リフレ派」の登用により、ますます安倍政権の意に沿った金融緩和路線が進められることになるのではと思う人もいるのではないでしょうか。しかし、実際、市場では「ことさら金融緩和路線が強まるというよりは、おおよそ現状維持」という見方が強いようです。

それはなぜかといえば、「黒田総裁続投」は既定路線として以前から織り込み済みだった可能性があるからです。そしてもうひとつは、前任の副総裁である岩田規久男氏も強硬な「リフレ派」として知られた人物であり、若田部氏の登用はことさら「リフレ派」の勢いを強めることにはならない、という考え方があるからです。むしろ、論客としては有名でも、まだ若手で金融政策の実務家ではない若田部氏を副総裁に据えたことは、「緩和路線を行くにしても、行き過ぎは防ぎたい」という意向を示すものではとの読みもあります。

2019年には物価目標が2%に達する!?今後の動きにも注目を

3月2日、再任に向けた衆院議院運営委員会での所信聴取後の質疑のなかで、黒田総裁は物価目標2%の達成時期について「2019年度ごろには2%に達成する可能性が高いと確信している」とし、「当然のことながら、出口というものをそのころ検討し、議論している」などと発言しました。これを受けて、市場が円高株安に振れるなど、やはり少なからず影響を与えていることは確かでしょう。今後も政府とのかかわり、折々の発言などには注意を払っていく必要がありそうです。

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