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NISAはロールオーバーを活用すれば最大10年間非課税になるって本当!?

(写真=docstockmedia/Shutterstock.com)

金融庁が2018年7月2日に公表した「NISA口座利用状況調査(平成30年3月末時点)」によれば、NISA口座開設数は1,117万1,893口座だそうです。多くの人が活用しているNISAですが、今年初めて行われるのがロールオーバーという仕組みです。ロールオーバーとはどのような仕組みなのでしょうか。また、ロールオーバーをしたほうが良い場合としないほうが良い場合にはどのようなケースが考えられるでしょうか。ロールオーバーの観点から、NISA口座について解説していきます。

NISA(少額投資非課税制度)のおさらい

NISAとは少額投資非課税制度のことを指します。また、NISA口座は非課税口座とも呼ばれています。日本国内に居住する20歳以上の人が持つことが出来る口座です。NISAにはNISA(一般NISA)のほかにつみたてNISAもありますが、併用することはできませんし、NISAはすべての金融機関で1口座しか持つことができないという特徴があります。

NISAのメリットは非課税枠で購入した上場株式等や投資信託に対する運用益(譲渡益、配当金・分配金等)にかかる税金がかからなくなるという点です。2014年の制度開始当初は年間の非課税投資枠は100万円でしたが、2016年より120万円に変更になったため、現在は120万円×最長5年間で合計600万円分が非課税枠として活用できるようになっています。

ロールオーバーとは何か?

NISA口座の非課税枠で購入した商品は、原則として、5年間の非課税期間が終了するとNISA口座から課税口座(一般口座、特定口座)に払い出されることになっています。また、課税口座に払い出される場合、払い出された日の時価が取得コストになります。

しかしながら、NISA口座で購入を行ってから5年の非課税期間が満了したときに翌年のNISAの非課税投資枠に資産を移すことで、継続して非課税の恩恵を受ける仕組みを利用することができます。これがNISAの「ロールオーバー」です。

例えば、2014年に非課税枠を活用して購入した時、本来の非課税期間は2018年末までとなります。2019年の非課税枠に該当銘柄を移して継続保有する場合に限り、その後最長5年間(2023年まで)運用益が非課税となるのがロールオーバーです。

NISAのロールオーバーは100万円で買付けしたものが100万円以上の評価になっていたとしても、全額移すことができます。

仮に2014年に非課税枠を活用して100万円投資を行い、2018年末に150万円になっていたとしましょう。この場合には、150万円すべてをロールオーバーできるということです。そのため、150万円がその後5年以内に200万円になったとして売却しても譲渡益税はかかりません。

つまり、ロールオーバーを利用すれば、最長10年間まで非課税の恩恵を伸ばすことができるのです。ちなみに上記の例の場合、ロールオーバーで2019年の非課税枠を利用することになるため、2019年の新規買付ができないことには注意しましょう。

ロールオーバーすべきかどうか?

ここで考えなければならないのが、そもそもNISAで金融商品の買付ができるのは2023年までであること。ここからいえることは、2018年にNISAを用いて投資した場合、2023年目が6年目にあたるのです。すなわち、ロールオーバーによる投資が可能なのは2018年までに投資した場合とわかります(2023年に購入した金融商品については、5年間の非課税保有は可能です)。

もし皆さんが長期投資を前提としており、ロールオーバーによる複利効果を享受したいとお考えであれば、2018年までの投資でしかロールオーバーできないことを考慮しなければなりません。中長期的な資産形成においては、ロールオーバーによる非課税効果は大きなものとなります。特に、余裕資金を利用して少しでも非課税メリットを受けたいとお考えであれば、2018年のNISAをロールオーバーするかどうかを早めに検討しましょう。ロールオーバーの際は事前に手続きが必要になるので、自動的に枠がスライドされるわけではないことも忘れないようにしましょう。

このほか、非課税期間満了時に含み損を抱えている人もロールオーバーを検討するとよいでしょう。なぜならば、非課税期間満了時に課税口座に払い出しする際には、NISA口座で買付けた際の時価ではなく、払い出された日の時価が取得コストになるからです。

非課税枠で100万円購入したとしても、5年後の非課税期間満了時に80万円になっていたら、80万円が課税口座での取得価格になるのです。その後、値上がりして90万円になって売却をした時、購入金額100万円からみると10万円損になりますが、税法上は課税口座で80万円で取得したこととみなされるので、利益の10万円に対して所得税、住民税、復興特別所得税の20.315%分が差し引かれることになります。

それがロールオーバーをすれば含み損の解消に対する課税はされず、運用益は非課税扱いとなります。(ロールオーバー、課税口座ともに、移管時の取得価額は非課税期間満了時の最終営業日の時価となります。)

また、上記の場合、ロールオーバーをして80万円分の非課税枠を活用しても残りの40万円分を使用することができます。ロールオーバーに利用する非課税枠が120万円未満となる場合、残りの非課税枠をどう活用するかも検討しておくとよいかもしれません。

一方、短期資金での運用をお考えの場合には、ロールオーバーよりも短期的な利益追求の模索も一案です。この場合には、毎年120万円の非課税枠を利用して、短期での利益による非課税メリットを享受していきます。ご自身の投資方針や目的、資産状況にあわせてどのようにしたらよいのかを考えるのがよいでしょう。

ロールオーバーを機に資産形成を考えてみよう

NISA口座でロールオーバーができるのは2018年までに投資を行った場合に限られます。ロールオーバーすべきかどうか、今一度検討してみましょう。

また、NISA口座では利用しなかった枠を翌年に持ち越すことはできません。非課税の恩恵を目いっぱい受けたいのであれば、投資枠を極力使うことも考えて行動すべきです。そうした行動が、後々の資産形成に大きな効果をもたらすことにつながるかもしれません。

※上記の内容は2018年9月現在の法令等をもとに記載しています。今後変更される可能性がありますのでご注意ください。

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