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GDPは2つある!?経済を紐解くうえで必要な経済指標

(写真=NicoElNino/Shutterstock.com)

景気の善し悪しを考えるうえで大事なのは経済指標です。ただし、経済指標にもたくさんの種類があり、どのようなものかわからないと思う人もいるかもしれません。そこで、今回は経済を紐解く上で覚えておきたい指標の意味と読み方を解説します。

「完全失業率」「有効求人倍率」

労働力人口(15歳以上の働く意欲のある人)のうち、働く意思があって仕事を探しているにも関わらず仕事に就いていない人の割合を示すのが完全失業率です。一方、公共職業安定所(ハローワーク)において、仕事を求めている人に対しどれだけの求人数があるのかを示したものが有効求人倍率です。いずれも雇用情勢を測るための重要な指標です。

完全失業率の動きは実際の景気動向にやや遅れる傾向にあります。また有効求人倍率はあくまでハローワークにおける求人/求職数です。そのため、業種や企業規模などに若干の偏りがあることも注意が必要です。

消費者物価指数(CPI)

一般に消費者が手にしたり、利用する商品やサービスの水準を示しているのが消費者物価指数です。示される数字は実際の値段ではなく、基準年の物価の水準を100とした上で、それに対する割合で示します。西暦の末尾が0、5の年が基準年で、5年毎に改訂を行っています。

ちなみに、現在(2018年)の消費者物価指数は2015年の物価に対する指数です。特に、国民の生活水準を見る上での重要な指標とされていますが、後に述べる国内総生産(GDP)を考える際にも重要な役割を果たします。

家計消費支出

家計消費支出は総務省が毎月発表している家計調査報告に記載されている重要な指標のひとつです。その家庭が1ヵ月の間にどれだけ消費を行ったかを示すもので、その家庭の実収入と密接に関係しています。実際に国における経済成長率の過半(55%程度)が家計消費に依存しているといわれています。例え企業の経済活動が活発だったとしても、家計消費支出が冷え込んでいる場合は、景気はなお低迷中と判断されることになります。

機械受注実績

機械メーカーが他の企業等から機械の注文をどのくらい受けたかを示すのが機械受注実績です。平たく言えば、企業がどれだけ設備投資を行っているかを端的に表す指標です。

日本において、民間設備投資は国内総生産の約20%を占めるといわれており、それだけ経済に対する影響が大きな項目であるといえます。なお、この指標は機械を受注した時点での数字を示しています。その機械が納品されて稼働を始めるのはその少し先のこととなるため、実際の設備投資の動きを半年ほど先取りしているといわれています。

国内総生産(GDP)

一定期間内に、国内でどれだけの経済的付加価値(モノやサービスの生産総額から、原材料等、中間生産物の額を除いたもの)が生み出されたかを示すのが国内総生産(GDP)です。日本の国内総生産は内閣府が算定、国民所得統計として公表していますが、この数字は一般に日本の経済規模を示す数字として利用されています。さらに、このGDPをその前の数字と比較したものが経済成長率です。

このGDPには名目GDPと実質GDPの2種類があります。国内で生み出された経済的付加価値の総額といっても、その総額自体の重みは物価の動向によって揺れが生じます。例えば、国内の経済活動規模が全く変わらなくても、その間に物価が平均5%上がったら、見た目上、GDPも5%成長することになります。これが名目GDPです。

そこで、消費者物価指数を用いて物価の変動分を補正したのが実質GDPなのです。変化を見る場合には、実質GDPで比較したほうがより正確な判断を行えます。

国によっても異なる経済指標

上記は日本の主な指標でしたが、世界に目を向けると世界には色々な経済指標があります。経済活動はそれぞれの国で違いや特色があるので、Aという指標をもとに2つの国を比較しても指標の数値がリアルにその国の状況を表すものではない場合もあります。そのため、その国独自の指標が使われることもあります。

例えば、アメリカ国内の景気を見るためには、米住宅着工件数という数字がよく引き合いに出されます。これは、一定期間(主に1ヵ月)内に建設が開始された住宅(一戸建てと集合住宅)の戸数を合計したものです。景気動向に敏感に反応し、個人の消費動向にも密接に関係した数値であることから、米国内景気の先行指標として使われているのです。また、それよりもさらに先行する指標として、建設許可件数が使われることもあります。

また中国経済を見るときには、李克強指数を見るのもよいでしょう。これは、中国の第7代首相李克強が遼寧省の党委員会書記だった2007年頃に、同省のGDP成長率よりもさらに経済の実態に即した指標として見ていると発言した鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費の推移を元にした指標です。ただし、当時の遼寧省と現在の中国全体では経済の構造も違い、特にサービス産業の動向が反映されにくいなど、李克強指数の有用性には慎重な目を持つほうがよいかもしれません。

経済指標で世の中を紐解いてみよう

このように複雑に絡まり合った経済を考える上では、どこに特に着目するかで、使われる指標は千差万別です。そのため、知りたいものに対して使われる指数をきちんと判断することが大切です。
あなたもチェックしてみてはいかがでしょうか。

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