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今こそ注目!V2Xマーケット

(写真=metamorworks/Shutterstock.com)

さまざまなものがインターネットとつながって多機能化する「IoT(モノのインターネット):Internet of Things」が急速に進行しています。特に自動車分野では、最近「V2X」という言葉が盛んにいわれています。V2Xとは「Vehicle to X」、つまり「乗り物と何か」がつながっている状態を指した言葉です。自動車技術とマーケットのこれからを考える上で、そして有望な投資先を検討する上でも見逃せない、この重要なキーワードを解説します。

車は「スタンドアロン」から「ネットワーク」の時代へ

「コンピュータはコンピュータ」「電話は電話」「家電は家電」と、それぞれ独立していたのは、もうひと昔・ふた昔前の話です。現在では多くのものがシームレスにつながり、ネットワークを通じ単体として持っている以上の機能を発揮するようになっています。

自動車もまた同じです。例えばホンダは、すでに20年前からネットワーク対応のナビゲーションシステム「インターナビ」のサービスを展開しています。これは個々の車がいわば「プローブ(探査機)」の役割を果たし、交通情報をリアルタイムで高度化する仕組みを持っています。

もちろんナビゲーションシステム以外でもエンジン制御や走行支援、安全性の確保など、車自体やそれが走る交通インフラを含めての高度情報化が「ITS(高度道路交通システム)」の名のもとで進められてきました。自動車は日本の重要な基幹産業のひとつである以上、国としてもこれは重要な課題で、1995年政府による「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」の中で、ITS推進は国の方針と定められ、さらに翌1996年には五省庁共同による「ITS推進に関する全体構想」も策定されています。

特に近年、ニュースなどで取り上げられることが多い自動車の自動運転もITSにまつわる動きの中の大きなトピックスのひとつです。海外のいくつかのメーカーでは2021年をめどに自動運転車の量産を計画しているといいます。

こうした流れのなか、新たに注目を集めているのがV2Xというキーワードです。「X」の部分にはさまざまな言葉を当てはめることができ、多様なものとつながって車の機能の高度化が図られるさまを示しているのがこの言葉です。「ITS」を言い換えたものと言ってしまうと身も蓋もありませんが、「X」の部分に特定の言葉を入れることで、具体的に「技術の方向性」を示すには便利な言葉といえます。

さまざまな種類があるV2X

では実際にはV2Xにはどのような種類があるのでしょうか。以下に、その代表的なものを並べてみましょう。

●V2V(Vehicle to Vehicle)

V2Vは「車と車」です。つまり、自動車同士が情報をやりとりする仕組みを示しています。日本語で「車車間通信」と呼ばれることもあります。主な用途としては隣り合って走る車同士で通信を行い、適切な車間距離を自動的に保ったり、救急車やパトカーなどの緊急車輛が近づいた際にそれを知らせたり、さらに自動で障害物を適切に避けるなどの動作を行うことなどが可能になってきます。

トヨタ自動車が進めている「ITS Connect」の中では、「車車間通信システム(CVSS:Connected Vehicles Support Systems)」として、V2V機能が実装されています。またアメリカでは、2023年までにすべての新規車両でV2Vを義務化するという動きも出ています。

なお、同じV2Vで、「Virtual to Virtual」を指す場合もあります。こちらは、コンピュータにおける「仮想マシン」同士を連結することを示し、基本、自動車とは関係がないので注意が必要です。

●V2I(Vehicle to Infrastructure)

道路や信号システムなど、交通インフラストラクチャと自動車が情報をやりとりするのが「V2I」です。これは「路車間通信」とも呼ばれています。

日本ですでに実用化されている「ETC2.0」も、V2Iの一つの例と考えることができます。「ETC」といえば「高速道路の自動料金システムでしょ?」というイメージの人が多いかもしれませんが、ETC2.0の機能はそれに限りません。道路沿いに設置されたITSスポット(路側機)と自動車との間で高速・大容量の双方向通信を行い、より高度な運行支援ができるようになっています。

●V2P(Vehicle to Pedestrian)

「Pedestrian」とは「歩行者」のことをいいます。つまり自動車と、歩行者が持つ携帯端末などが情報をやり取りするのが「V2P」のイメージです。

第一に、これによって歩行者の安全をより確実にするというのがV2Pの大きな役割になります。歩行者の個別情報をどれだけ取得し、使用してよいのか、プライバシーの問題には十分配慮する必要があるものの、高齢者や障害者など歩行者の属性に合わせて、よりきめ細かい対応を行うことも可能になってきます。

さまざまなジャンルで進むV2X。自動車メーカーごとに、どのような通信規格を使うかで差があるなど、すり合わせも必要になってきますが、少なくとも進化の方向だけは間違いなさそう。自動車メーカーだけでなく、情報機器、通信関連も含め、今後はさらに大きな動きになってくることが考えられます。投資先を考える上でも、今後V2Xは、重要なキーワードになってくるといえそうです。

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