ナンピン・塩漬け

FXのナンピンは初心者に向いていない?失敗例から学んでしっかり資金管理

ナンピンと聞くと「怖い!」「失敗する!」というイメージが湧きます。確かにナンピンは初心者が使うのにはハードルが高いです。

しかし、しっかりナンピンを理解すれば今すぐには使えなくても段々と取引に慣れてきた時に使いこなすことができます。

・ナンピンとは?
・ナンピンの失敗例
・ナンピンのメリットとデメリット

このことについて、しっかり理解することでナンピンがただ怖い、失敗する!というイメージは消えます。ナンピンを使う時のポイントも理解していきましょう!

ナンピンとは?

ナンピン(難平)とは株式投資やFXなどでの取引手法のひとつです。

含み損とは仮に今この瞬間に売って取引を終了させたらいくらの損が出るかという意味です。まだ実際に売っていないので損は出ていませんが「含んでいる」という意味で「含み損」と言います。

「含み損」と同じ意味で「評価損」とも呼ばれます。どちらも現在の為替相場でポジションを決済した場合のシミュレーションを表示しています。

この含み損が出ているポジションに対して新たにポジションを保有することで平均コストを下げる行為をナンピンと呼びます。

なぜナンピン(難平)と呼ばれるかというと「難を平らにする」からです。つまり難(損)を平らにならすという意味です。

初心者には向かない?

相場が自分の予想とは逆に動いた時、ポジションを追加することで平均取得価格を有利にします。

ナンピンは初心者には向かないと言えます。まず初心者は為替相場を正しく予想することは難しいと言えます。それに常に取引画面で確認しているわけではないので自分の予想とは逆に動いた時に直ぐに逆のポジションを保有する必要がある!という判断を正しくできるかというと難しいと言えます。

FXのプロのトレーダーでさえも正しい為替相場の予想は難しいのに初心者ができるとは言えません。

更に、ナンピンを続けて行くと含み損を抱えた状態を認めることが難しくなります。ポジションをどんどん追加で保有していくと「このままでは終われない」「これだけ資金を投入したんだから利益を得てから決済したい」この様に考えます。

その結果、損切りが大幅に遅れマージンコールやロスカットの発生する可能性が高まります。

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ナンピンのやり方

米ドルが1ドル100円で買ったとします。
米ドルの値段が上がると予想し買いポジションを保有しましたが、予想とは逆に1ドル90円まで下がってしまいました。

この時、1ドル90円で買い増しすることを「ナンピン買い」と言います。

米ドル1ドル100円と90円で買ったので、買いの平均価格は95円になります。
その後は1ドル100円まで戻さなくても95円まで戻ってくれれば収益は同じになるということになります。

損切りが重要

ナンピンは初心者には向いていません。なぜならばFXではレバレッジを使った取引になるので証拠金以上の取引をすることになります。仮にナンピンで利益を得ることができれば問題ありませんが、損益が出た場合にはダメージが大きくなります。

証拠金以上の取引をして、マージンコールが発生した時に証拠金を追加することができれば良いですが、追加できない場合にはロスカットになります。

大切なことはポジションを増やすことよりも負けを認め損切りをすることが重要と言えます。

ナンピンはプロトレーダーが使う技術

・ナンピンを繰り返し証拠金維持率を圧迫させる
・損切りできないので含み損が増える

初心者がナンピンをするとこの様なことが起こる可能性があります。損切りのタイミングは初心者には難しいと言えます。損は認めたくないしできればしたくない・・・

損をしたくないと思うのはFXの取引だけではありません。生活をしていく上で誰でも損はしたくないと思っています。

FXではレバレッジを利用して大きな金額を運用できるメリットがありますが、予想とは逆に為替相場が動くと損をしたくない!という思いからナンピンをします。

ナンピンを繰り返すことで平均取得価格を現在価格に近付けることができます。ですのでわずかな為替相場の戻しでも含み損から脱出できたような気分になります。これは損をしたくない!と考えている人にとってはとても良い手法と言えます。

ではなぜ損をしたくない初心者にナンピンが向いていないのでしょうか?それは戦略の無いナンピンを繰り返すからです。逆にプロトレーダーは

・トレードに明確なルールがある

つまり戦略のある状況下でナンピンを行うのでナンピンで利益を得ることができるのです。

直ぐに戻る前提ではないとナンピンはしない方がいい

ナンピンをする目的は既に含み損のポジションを持っているので、直ぐにレートが戻る事を期待して行います。
下げ止まりを買うのではなく、反発をし直すところを買いたいのです。これがナンピンをするポイントです。

下げ止まりから反転して上がっていかないとナンピンをする意味はありません。

FXは買った人が売るから値段が下がります。悪循環の連鎖でレートが下がるのはこの様な場合が多いです。

例えば反転狙いの人が買います。
反転狙いの人スキャルピング的に買う人が多いので、反転することを目的として買っているのに直ぐに反転しないので売ります。
売るのでレートが下がります。

ナンピンは正しい使い方をすれば武器になります。ただし、直ぐに反発するからナンピンを使うという明確な目的が無い場合には、ただの問題の先送りにしかなりません。

直ぐにレートが戻るという判断は初心者には難しいです。損切りの判断はプロのトレーダーでも直ぐにできることは困難ですので、ナンピンは初心者には向かないと言われています。

ナンピンのメリットとデメリット

FXの上級者であるプロトレーダーには利益を生みだすことができるナンピンですが、初心者は含み損をかかえるリスクがあるとわかりました。

しっかりナンピンのメリットとデメリットを理解して使いたいですね!

ナンピンのメリット

・ポジションを追加することで平均取得価格を下げることができる
・買い増ししたポジションが値上がりすれば利益も大きくなる

平均取得価格とは1ポジションあたりの購入金額を平均した価格の事です。

例えば米ドルが値上がりすると思い1ドル100円のときに買います。
しかしその後99円に下がりました。
この時「102円まで上がるから買い増しする」と判断し99円で買います。
その後も98円に下がります。この時も買いました。
結果1ドル100円で買った時と比べると
100円 + 99円 + 98円で買っているので平均価格が99円になりました。

この様にナンピンを行うと平均取得価格を下げることができます。また、予想通りに102円まで値上がりした場合には100円で買った時よりも利益が大きくなります。

※図で説明

ナンピンのデメリット

・損失を増やすだけ

本来、予想とは逆にレートが動いた時には損切りをすべきです。特に初心者は大きな含み損を抱えることよりも潔く損切りを行う事で損益を最小限に抑えることができます。

しかしただなんとなく、予想とは逆にレートが動いたからナンピンをする・・・を繰り返すと、一度下がったレートが直ぐに戻ることなく下がり続ければ含み損が増えるだけ、最悪ロスカットの可能性もあります。

ナンピンは稼げない?失敗例

やみくもに使うナンピンはデメリットでしかないことが分かりましたね。初心者では使いこなすことが難しいナンピンですが、成功例からでは無く逆に失敗例から学んでいきましょう!

損失が倍増する

FXを始めたばかりの初心者はロット数(1ロット=10万通貨 10万通貨とは日本円で10万円)が少ないため損失も少額です。ですので損切りせずにナンピンをしたくなる気持ちが生まれます。

予想とは反対のレートの動きをした時に損切りをせずにナンピンをすると、直ぐにレートが戻らずに一方的に下がっていったとき利益が出ることはありません。つまりナンピンすることにより損失が倍増していきます。

この様なナンピン失敗例は実は初心者に多くあります。たった1回のナンピンで口座資金を全て失ってしまう事もあります。

強制ロスカット

「相場が予想とは反対に動いてもナンピンすれば大丈夫」この様な考えでは1回のナンピンで大損する可能性は高いです。

初心者こそ「相場が予想とは反対に動いたら損切りする」という考えが必要です。証拠金維持率をキープするどころか保証金不足でマージンコールが発生し、その後も証拠金を追加することが出来なければロスカットが発生します。

利益を得るどころか口座の資金を失い取引の強制終了であるロスカットになってしまう可能性もあるため、ナンピンしても利益を出すことは難しいと言えます。

まとめ:ナンピンは直ぐに戻る前提ではないなら、しない方がイイ!

上級者のトレーダーやプロトレーダーが使うナンピンは、予想とは逆に下がっても直ぐに戻るという前提で行っていることがわかりましたね。

ナンピンは買ったポジションが下がり含み損を抱えた時でも、直ぐに戻るという確信が前提で行う事で利益を得ることができます。

この「直ぐに戻る」という判断は初心者には難しいですね・・・これは練習と勉強あるのみですね。ナンピンは決して悪いわけでも危ないわけでもないわけではなく、正しく使わない場合には、含み損をかかえた状態を損切りするのではなく、ただの問題の先送りになるだけです。

初心者は予想とは逆にレートが動いた時にはナンピンするのではなく損切りしていく方が損益を最小限に抑えることができるでしょう。