FXのしくみ

FXのマージンコールの仕組みと失敗例から学ぶ!ロスカットとの違いについて

FXの取引を始めたいけどマージンコールやロスカットって何?よく聞くけどよくわからない・・・そのままでFXの取引をするのは注意が必要です!

しっかりマージンコールを理解することで含み益をかかえてしまってもマージンコールがかからない方法も理解できます。

・マージンコールとは?
・ロスカットとマージンコールの違い
・マージンコールが発生しないためには?
・マージンコールのメリットとデメリット

しっかり理解してFX取引をすることができます!

マージンコールとは?

FXでは実際に手元にあるお金よりもレバレッジをかけることで大きい金額を運用できます。つまり、預けているお金は「保証金」という「担保」ですので、そっくりそのまま運用できるわけではありません。

これは外貨預金の仕組みと大きく違うFXの特徴の一つです。

そのため運用で損失が生じた場合に「保証金」が減ってくると担保不足になります。すると業者から「このままではお金が足りなくなるのでもっと保証金を入金してください!」と連絡が来ます。

これが「マージンコール」です。

※図解で説明

追加証拠金とは?

マージンコールは「追加」の「証拠金」ということで「追証おいしょう」とも呼ばれます。

FXをやっていく上で、保有しているポジションを維持する為に必要な証拠金の額を「必要証拠金」と呼びます。取引単価に対してレバレッジをかけた場合の必要証拠金について紹介しています。

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追加証拠金とは、口座に入っている「保証金」が、ある一定の水準まで減ってしまうと発生します。
どの水準まできたら発生するかは各業者によって違います。当初の保証金に対して含み損が〇%に達したらマージンコール(追加証拠金)が発生するという仕組みです。

ロスカットとは?

マージンコールが来ても決められた期日までに追加でお金を入金すれば問題はありません。しかしマージンコールが来ても、それを無視して更に損失が膨らむと強制的にポジションが決済されてしまいます。これを「ロスカット」と呼びます。

★詳しくは「FXで初心者が大損しないためにロスカットルールを知って資産を守ろう」こちらの記事に記載されています。

マージンコールは業者ごとに違いがあるの?

FXでは為替レートが日々変化しています。その瞬間ごとに含み益が出たり含み損が出ることを繰り返しています。

まだ実際に売っていないので利益や損は出ていませんが「含んでいる」という意味です。そして含み損が保証金の〇%以上になったらマージンコールが発生するかは業者によって違います。

マージンコールで業者比較

マージンコール体験談!ここから学ぼう

FXで買った!大金を得た!というFXの成功例から学ぶのではなく、特に初心者はFXの失敗例から学んでいきましょう。マージンコールの体験談を見ていきましょう!

Aさんの場合

証拠金10万円
レバレッジ10倍
米ドル1ドル100円を1万ドル買った

10万円を元手に1万ドルの取引をするのでレバレッジ10倍の取引を始めたAさんは、為替レートの変動で含み益が出たり、含み損を抱えたりしていました。
毎日レートをチェックしていましたが、含み益が出ていたのでレートチェックをしないでも安心していました。

ある日業者からメールが来たので確認してみると「マージンコール」の文字が!Aさんが利用していた業者では含み損が保証金の50%以上になったらマージンコールがかかります。

つまりAさんの含み損は証拠金10万円に対して5万円以上の含み損が発生したということです。急いで追加で証拠金を入金しましたが時すでに遅し・・・Aさんは強制ロスカットになってしまいました・・・

Bさんの場合

証拠金 100万円
レバレッジ20倍
米ドル1ドル100円を2000万ドル買った

仕事柄、世界のニュースや情報が入ってくるBさんはFXの取引にも興味を持ちました。当初レバレッジは抑えて3倍で運用していましたが、利益が出たことでもっと大きく勝ちたい!利益を得たい!という欲が生まれました。

ついにレバレッジ20倍での取引を始め、買った当初は円安が進んでいたので含み益を得ました。調子にのったBさんは決済せずにそのままにしていたところ長期の海外出張になりました。

含み益を抱えているし大きな為替変動が起こりそうな経済行動の予定もないので安心して出張に出たBさんはネットが繋がりにくいこともあり出張先では新聞を読むくらいしか為替の情報収集をしませんでした。

Bさんが帰国後に目に飛び込んできたのでは「円急騰」の文字です。急いで取引画面を確認した時にはマージンコール後にロスカットが発生していた画面だけでした。

Bさんはマージンコールの連絡後に期日内に追加証拠金を入金できず強制的にドルは売却されてしまいました。

マージンコールのメリットとデメリット

失敗例だけ見るとFXって怖い!というイメージがついてしまいますが、証拠金を維持していくためにも大きく損を出さないためにもマージンコールは大切なルールです。
FXを始める前にマージンコールのメリットとデメリットをしっかりと理解していきましょう。

マージンコールのメリット

・ロスカットの危険を教えてくれる
・FXトレーダーを守る仕組み

FXの取引をしていく上で証拠金を増やしたい!利益を増やしたい!と誰でも思います。損をしたくないという思いから含み損が出ても「まだ大丈夫」という思いが生まれます。

しかし、含み損を抱え続けると額がどんどん大きくなり自ら決済することは難しくなります。証拠金を減らしてしまうことになりますが、マージンコールが発生することで「このままではいけない!」という思いになります。

マージンコールは強制決済というロスカットの危険を教えてくれる大切な役割があり、FXトレーダーを守る仕組みでもあります。

マージンコールのデメリット

・追加証拠金を預け入れないと強制決済(ロスカット)される

FXの取引をしていく上でマージンコールは大きな損害から守ってくれることになります。しかしその連絡を無視し続ければ強制決済(ロスカット)され取引ができなくなります。

初心者は証拠金維持率をキープしよう

為替レートにおける過去の最安値や最高値、そして変動幅は自分でも調べて知ることができます。ですので「ここまで下がっても、このくらい大丈夫だろう」「ここまで上がっても、このくらい大丈夫だろう」という予想をたてることができます。

つまり、予想した為替レートまで下がったり上がったりしたとしても耐えられる証拠金維持率を保つことができれば、マージンコールもかからないしロスカットも発生しないことになります。

含み益は発生しますが、決済しなければ損失は確定しないので、仮に米ドルを1ドル100円で買った時に、105円まで下がったとしても101円で売る事が出来れば良いという事です。

この時105円まで下がっても証拠金維持率を業者の規程率以上に保っていればマージンコールはかかりません。

※ 参照

証拠金維持率の求め方

マージンコールが発生しない証拠金維持率の求め方がわかれば、含み損をかかえても含み益になるまで持ちこたえることができます。

証拠金維持率 = 時価評価総額 ÷ 必要証拠金※ × 100

文字ばかりでなんだか難しいですね・・・数字を入れて見やすくして見ましょう!

証拠金100万円
米ドル1ドル100円の時に10万通貨を買う
レバレッジ10倍

必要証拠金 = 買ったレート × 買った数量 × 4%

必要証拠金 = 100円 × 10万通貨 × 4%
1ドル100円で10万通貨買った時の必要証拠金 = 40万円

これを当てはめると

証拠金維持率 =  100万円 ÷ 40万円 × 100
100万円の保証金で1ドル100円で10万通貨買った時の証拠金維持率 = 250%

証拠金維持率の目安

証拠金維持率とは取引口座に入金している証拠金に対してポジションを維持するのに必要な証拠金利の比率のことです。

この証拠金維持率の目安は250~300%と言われています。

ですので上の計算を見ると
証拠金100万円
レバレッジ10倍
米ドルを1ドル100円で10万通貨買う
この時の証拠金維持率が250%なので維持できれば大丈夫と言えます。

まとめ:ロスカットから守るためにマージンコールは大切なルール

ロスカットとマージンコールは似ているようですが意味は全く違いますね

取引の強制終了 = ロスカット
これに対して
保証金が減ってきた連絡 = マージンコール

ということがわかりました。

初心者なら特にロスカットを防ぐためにもマージンコールが発生しないようにすべきと言えます。その為にも証拠金維持率をしっかり理解して取引をしていきましょう。

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