この記事では、高金利通貨とよばれる「オーストラリアドル」を利用した初心者でもできるスワップポイントでの稼ぎ方をわかりやすく解説していきます!
・なぜ豪ドル/円のスワップポイントを稼げるのか?
・スワップポイントの仕組み
・豪ドルのサヤ取りで稼ぐ方法
・サヤ取りのメリット・デメリット
こちらについて初心者にもわかりやすく解説していきます!
そもそもスワップポイントって何?
FXでは利息の様な収入を得ることができます。これをスワップポイントと言います。
スワップポイントは売買する2国間の金利差で得られる利益です。金利の低い日本の円を売って、金利の高い国の通貨を買うことで、その差が利益になります。
スワップポイントの仕組み
例えば日本円の金利が0.1%でオーストラリアの金利が2%の場合2つの国の金利差は1.9%です。
豪ドル(オーストラリアドル)を買いポジションを保有している間は年1.9%の金利を日割りで毎日受け取ることができます。
スワップポイントの額は業者によって異なり、変動しています。
豪ドル1万通貨で1日あたり53円の金利を受け取ることができれば1年間365日保有すれば1万9345円程度の金利が受け取れます。
なぜオーストラリアドルは金利が高いの?
オーストラリアは石炭や鉄鉱山といった天然資源の輸出比率が高い国です。豪ドル(オーストラリアドル)は高金利のためスワップポイント狙いで取引しやすく人気の通貨です。
輸出先の中国や日本、韓国などの経済状況にも左右されますが、日本に比べて高金利のため豪ドル/円での取引は人気です。
スワップポイントを利用して豪ドルで稼げる?
スワップポイントは交換するオーストラリアの金利から日本の金利を引いた金額です。
要するにスワップポイントでたくさん稼ぎたければ金利が日本よりも高い国の通貨を選べば良いという事です。ですので、オーストラリアの通貨である豪ドルを選びワップポイントで稼ぐことはできます。
それでは具体的にサヤ取りを利用してスワップポイントで稼ぐ方法をご紹介していきます。
なぜ豪ドルは金利が高いの?
資源国であるオーストラリアは金や鉄鉱山といった鉱産物や、原油、農作物などを主要経済としています。オーストラリアの通貨であるオーストラリアドル(豪ドル)が高金利である理由には
① 経済成長(GDP)
② インフレ率(CPI)
③ 失業率
④ 新規雇用者数
⑤ 人口
⑥ 投資実績
⑦ 為替レート
⑧ 政策金利
これらを見ていくと分かります。
株もそうですが投資する前に投資先を調べることは大切なことです!FX初心者も「豪ドルならスワップポイントで稼げる!」というだけの理由で始めるのではなく、めんどうですが「なぜ豪ドルはスワップポイントが高いのか?」という理由を探っていきましょう!
〇 経済成長(GDP) 予測2.75%を大幅に下回り他先進国の2倍の速さで減速
◎ インフレ率(CPI) CPIが2%を維持できれば政策金利の上昇も期待できる
△ 失業率 就業者数が予想を上回り失業率は予想より0.1%悪化
◎ 新規雇用者数 2019年3月は予想を上回る増加幅
◎ 人口 2499万人(2018年6月)毎年増加傾向
〇 為替レート 55円~110円のレンジで安定している
△ 政策金利 最低率1.50%を2年連続、継続中
- ◎は期待できる
- 〇は安定している
- △様子見
- ✖は注意が必要
この様な判断をした時、インフレ率・新規雇用者数増加・人口増加これらの理由からもオーストラリアの経済は安定していると言えますね。この様なことから「豪ドルが高金利」の理由として挙げられます。
オーストラリアは資源国
オーストラリアは日本語での略称は豪州と呼びます。そのためオーストラリアの通貨であるオーストラリアドルは豪ドルと呼ばれています。
人口は2018年6月の時点で2499万人です。
なんと人口は増加傾向で2029年までに3000万人突破の見通しが予想されているほどです。
2008年に政策金利7.25%をピークに2018年までの10年間は、緩やかに金利を下げ2%を下回っています。
しかし、それでも世界全体で先進国が金利を下げている中オーストラリアは高金利の通貨です。その理由は
① オーストラリア経済は資源国なので政策金利を高く設定しないと外国に国債を買ってもらえない
② 国内で新しい産業を育てるためにも外国からの投資を呼び込みたい
③ お金を借りにくく、貯金したくなるようにすることで急激なインフレを抑制するため
日本ではデフレが長引いていますね。その理由は
マイナス金利にすることで市場に現金を流動させる
↓
現金を使ってもらう(消費を刺激)
↓
購買需要を高める
↓
デフレ下の脱却
この様な流れになっています。
一方、オーストラリアの様にインフレが続く国はその逆が起こるので金利が高くなります。日本は長年低金利が続いていますね。金利1%なんてめずらしいですが、オーストラリアでは日本では考えられないほど金利が高い!その理由はインフレだったからなんですね
中国経済からの影響受けやすい
オーストラリアの貿易額の2~3割が中国との取引の為、中国の影響を強く受けます。
オーストラリアの輸入相手国の割合を見ると2007年から見ていくと2018年までアメリカと日本は横ばいなのに対して、中国のシェアは倍まで高まっています。
また輸出相手国では2007年時点では日本・中国・韓国の順でしたが、その後日本は低下し、逆に中国が急上昇しています。
これらのことからも、オーストラリアは中国に依存していることがわかります。ですので、豪ドル/円のスワップポイントで稼ぐことを考えると、オーストラリアと中国の輸出・輸入動向はチェックして行くことが必要です。
オーストラリアの格付けもチェック
格付け会社S&Pグローバル・レーティングが2018年9月にオーストラリアの格付けをAAA(トリプルエー)に据え置きました。
なんで格付けがFXに関係あるの?と思いますよね?どういうことかというと、
長期信用格付け・・・その国の通貨が長期的に見て投資に向いているかを示す指標
投資家にリスク情報を与える役割を「信用格付け」と呼んでいます。この情報が100%信じられる!間違っていない!とは言い切れませんが、それでも投資判断の材料の一つとして見ておくことをおすすめします。
この長期信用格付けがAAA(トリプルエー)ということは「オーストラリアは長期投資に向いている国だよ!」と太鼓判を押されているということです。その理由に
① オーストラリア経済は成長を続けている
② 前四半期には27年連続でリセッション(景気後退)なしの記録を達成
③ 好調な資源輸出と急速な人口増による住宅・インフラ需要の拡大
この様なことが挙げられます。つまり豪ドル/円は中長期のスワップポイントで稼ぐのに向いている!と言えます。
オーストラリアの政策金利も見ておきましょう
スワップポイントが上がる要因の一つに「政策金利が上がる」と考えられます。ニュースでも聞いたことがあるワードの一つ「政策金利」ですが解りやすく言うと「中央銀行が一般の銀行に貸し付ける際の金利のこと」です。
豪ドルのスワップポイントはオーストラリアの政策金利に強く影響しているからです。
2019年4月のオーストラリア準備銀行(中央銀行)は政策金利の据え置きを発表しました。
この決定を受け豪ドルは下落しましたが、それでも景気は安定しインフレは懸念されていません。
今後も豪ドル円スワップポイントで稼ぐことを考えているならば、オーストラリアの政策金利もチェックして行きましょう!
豪ドルでスワップポイントを稼ぐ注意点!利回り・ロスカット
スワップポイントを稼ぐためには、比較的情報量の多く高金利の通貨を選びたいですね。
豪ドルは情報量が多く高金利の為、スワップポイントを稼ぐには、おすすめの通貨です。
今まで豪ドルが高金利の理由やFX初心者でも比較的安定してスワップ金利を稼ぐとができる!と話してきましたが、豪ドル/円を長期保有していれば安心してスワップポイントを稼げるかと言ったら違います!
豪ドル/円のスワップポイント業者比較
それでは豪ドル/円のスワップポイントを業者別で見ていきましょう!
業者名 | 特徴 | スワップポイント |
サヤ取りやアービトラージとは?
スワップポイントで利益を得たいと思い調べていると「サヤ取り」や「アービトラージ」という言葉を見かけませんか?
サヤ取りはアービトラージと同じ意味です。ここからは初心者の方に理解しやすく分かりやすく説明していきます。
・サヤ取りとアービトラージは同じ意味
・業者毎の価格差で利益を得る
・価格の安い業者で豪ドルを購入し、高い業者で売る
・時間と資金が必要
豪ドルのサヤ取りとは、業者間で生じる価格差を利用して豪ドルを売買し、利益を生み出す手法の事です。
アービトラージとも言いますが、FXではサヤ取りと言われます。
同じタイミングで買い注文と売り注文を出すので「両建て」が必要です。為替がどの様な動きをしても、買いのポジションと売りのポジションの両方を持っているので片方が利益を出し、片方が損失を出している状態になり、損失を相殺することができます。
※相殺を図解で説明
サヤ取りのやり方
スワップポイントのサヤ取りは同じ通貨ペアで業者のスワップ差で稼ぐ方法があります。
業者によってスワップには大きな差があります。価格差が大きい豪ドルは1日40円もあります。※ここは後々詳しく調べます(●社の買いスワップ150円□社の売りスワップ110円)
同じ豪ドルですので、どの業者でも同じ動きをします。
●社で豪ドル/円を1万通貨買う(スワップポイントは150円/日)
●社で豪ドル/円を1万通貨売る(スワップポイントは-200円/日)
この場合―50円/日の損失です。
しかし
●社で豪ドル/円を1万通貨買う(スワップポイントは150円/日)
□社で豪ドル/円を1万通貨売る(スワップポイントは-110円/日)
この場合+40円/日の利益です。
この様に、両建てによって損失を抑えつつ、スワップポイントの差益のみを少しずつ着実に得ることが出来るのがサヤ取りです。
スワップポイントは業者によって異なるので、受け取るスワップポイントの方が高い組み合わせでトレードすれば両建てをしながら利益を得ることができます。
サヤ取りのメリット・デメリット
サヤ取りのやり方や理屈がわかったので、直ぐに取引しよう!と思っている方はもう少し待ってください!しっかりとサヤ取りのメリットとデメリットを理解してから始めましょう。
サヤ取りのメリット
・為替変動によるリスクを抑えることができる
為替変動は値動きが激しく、適切なタイミングで売買しないと大きな損失を被る場合があります。特にFX初心者の方にはタイミングの見極めは非常に難しく損をする確率も高いです。
しかしサヤ取りは「買う→売る」を行うだけなので、保有時間も短く為替変動によるリスクを抑えることができるので初心者にも利益を上げやすい手法です。
スワップポイントだけを得るために同じ量の買い・売り注文を同時に行うので、価格がどちらに進んでも損失が生じません。
サヤ取りのデメリット
良い事ばかりに思えるサヤ取りですがデメリットもあります。
・時間と資金が必要
買いと売りの2つのポジションを同時に持つので、通常の取引の倍以上の資金が必要になります。
両建てするという事は、損失だけではなく、利益も相殺してしまうので、自分の予想通りの値動きがあった場合でも、そこで利益を上げることはできません。
スワップポイントの変動により利益よりも損失が大きくなる可能性があることも忘れてはいけません。
サヤ取りの注意点
・スワップポイントは各国の金利や業者によって変動する可能性がある
・レバレッジをかけすぎてロスカットが生じ両建てが解消される可能性がある
金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買う事でその金利差を受け取れる仕組みが「スワップポイント」です。
このスワップポイントの支払額は業者によって違うため、支払額と受取額に大きな差が生じます。支払額よりも受取額が大きい場合には問題ありませんが、支払額の方が大きくなる可能性があるので定期的なチェックが必要です。
また、レバレッジをかけすぎた状態の時、自分の為替予想に反して相場が大きく変動することも考えられます。
この場合、両建ての片方のポジションだけロスカットや追証が発生することが予想されます。
その場合には両建てが解消されるので、そのままにしておくと損失が拡大する恐れが生じます。
この様なことを防ぐためにも十分な資金を準備しておく・事前に指値注文でロスカットが起こった場合に、もう片方のポジションも決済されるようにしておくことが必要です。
豪ドルをサヤ取りした場合
それでは、実際に豪ドルをサヤ取りした場合にどのくらい儲かるかを計算してみましょう!
ここではスワップポイントの支払額が少ない●と受取額が高い□の2社で計算していきます。
●の豪ドルのスワップポイントの支払額は1万通貨辺り-90円です
□の豪ドルのスワップポイントの受取額は1万通貨辺り130円です
ですので、
受取額130円 > 支払額90円
この様な計算になります。得られる額を計算してみると
1日に受け取れる額・・・130円―90円=40円
1年間で受け取れる額・・・40円×365日=14600円
コストについて
1ドル=76円とすると1万通貨の取引には76万円が必要となります。サヤ取りの場合では買いと売りの両方のポジションが必要になるので152万円が必要です。
しかしFXではレバレッジが掛けられます。
レバレッジ10倍・・・1万通貨辺り76000円なので必要金額は152000円
レバレッジ25倍・・・1万通貨辺り30000円なので必要金額は60000円
最低金額60000円で年間14600円儲けることができます。
しかし、実際に運用していくと為替変動でロスカットや追証などが起こるリスクもあるので、この様なレート変動が起こるリスクに備え余裕を持った資金を準備しておく必要があります。
オーストラリアドル(豪ドル)はサヤ取りでスワップポイントを稼ぐ
スワップポイントについてわかりやすく説明してきました。
為替差益とは別にFXで利益を上げる方法の1つにスワップポイントがあります。
スワップポイントは1日単位で発生するため、短期売買では無く長期運用でコツコツ貯めていくのに適しています。
豪ドルは高金利通貨ですのでスワップポイントで利益を得ることが狙えます。豪ドル/円だけを持つのではなく、トルコリラ/円を一緒に保有することで損失を相殺する2つのポジションを持つ方法もあります。持ち続けて評価損を膨らませることは避けたいので、含み損が大きくなると決済し、円安になったときに再度エントリーするなど色々試すことをおすすめします。
特にFX初心者の方は初めからサヤ取りで稼ごうとせず、デモトレードがある業者を利用することで、サヤ取りの練習ができるのでおすすめです。