FXの取引を始めて間もない時に本やネットで取引の方法を調べていくと「両建て」という言葉を目にしませんか?
両建てはFX以外にも株の取引にも使われます。(株では空売りと呼ばれます)そこで今回はFX初心者でも取引で使える「両建て」について分かりやすく解説していきます!
読み終わるころには
・FXの両建てとは何か?
・両建ての方法について
・両建てを使ってロスカットを回避する方法
このことについて詳しくなっているはずです!
両建てとは?
両建てとは「買いポジション」と「売りポジション」を同時に保有することです。業者の取引画面で、どの通貨ペアでもワンクリックするだけで両建てできます。便利で注文しやすい両建てですが、業者によっては両建てできない場合もあります。このことは後ほど詳しく説明していきますね。
両建てはメリットもデメリットもあります。しっかり理解してから使いましょう!
両建てのメリット
それでは両建てのメリットについてお話していきます。取引画面からワンクリックするだけで注文を出せる両建ては他にどんなメリットがあるのでしょうか
利益を伸ばせる
両建ては「買いのポジション」と「売りのポジション」を同時に出せるので
・損益を最小限にできる
・買いも売りも利益が出た
この様に収益を伸ばせるメリットがあります。
例えばドル円の相場で現在1ドル100円ですが今後ドルが更に上がると判断したのでドルを「買いポジション」で持つ。
その後、ドルのレートは上昇していきます。今後更に上がりそう!と判断したので決済せずにそのままにしておきます。
しかし!上昇していたドルのレートが下がってきました!このままでは損をしてしまうので「買いのポジション」はそのままで「売りのポジション」を持ちます。
この様に長期的なドル円の「買いポジション」を持ちながら、短期的な「売りポジション」を同時に持つことができるので利益を伸ばすことができるのは両建てのメリットと言えます。
※図解で説明
スワップポイントで稼ぐ
FX初心者が稼ぐ方法の一つにスワップポイントで稼ぐ方法があります。スワップポイントは短期的よりも長期的な運用に向いた稼ぎ方で2国間の金利の差から毎日利益を得ることができます。
この時、一つの業者で「買いのポジション」を持ち一つの業者で「売りのポジション」を持つ、両建てを使う事で、為替レートの変動リスクを回避することができます!
買った通貨が急激に下がった場合など大きな損益が生じる場面に「両建て」は有効です。この時「買い」のスワップポイントが高い業者・「売り」のスワップポイントが安い業者を選ぶことが重要です
スワップポイント業者別
「買いのポジション」「売りのポジション」を両方持っていることで為替レートがどの様に動いても損をしないというメリットがあります。
節税対策
これは専業主婦や学生など、家族の扶養に入っている人におすすめの方法です。FXであまり収益を出したくない場合に両建てのポジションを持つことはメリットといえます。
確定申告は1月1日から12月31日の1年間に得た収益にたいして行います。含み損のあるポジションを決済し損益が出ると、その年の利益は減りその年の支払う税金も減ります。
年明け1月1日に含み益のあるポジションを決済することで、前月の損失と同額の利益を得ることができるので実際には損をしていることにはなりません。
この様に両建てでポジションを持つことは節税対策なるというメリットもあります。
両建てのデメリット
両建てのメリットをご紹介してきましたが、良い面だけではありません。しっかりとデメリットも理解した上で取引を行いましょう!
手数料が2倍
「買いのポジション」と「売りのポジション」を同時に持つことになるので、その分手数料は2倍になります。
また手数料だけでは無く、資金も通常の2倍用意しなければならないというデメリットがあります。
※図解で説明
業者によって禁止しているところも
上でも説明していますが、業者によっては両建てできない場合もあります。ですので両建てを利用したい場合には、事前に業者に確認する必要があります。
初心者でも負けない方法
両建ての方法を説明してきましたが、なんだか初心者には難しいかも?と少し自信が無くなってきた方もいるかもしれません!
そこで初心者でも負けない、両建てポジションの持ち方を説明していきます!
両建てのパターン
両建てはどんな場面でも使えますが、事前に相場が大きく変動するのが予想されている場合には事前に両建て注文を出しておくことで初心者でも・・・・・・・
例えば
・経済指標が発表される前
この後にはレートが大きく動くことが予想されます。
しかしレートが上がるのか下がるのかは分かりませんね?ですので「買いのポジション」と「売りのポジション」を同時に持つことで、レートが上がった場合にも下がった場合にも利益を生みだすことができます。
両建て必勝法!ナンピンって何?
このまま相場が上がると思って買ったのに予想に反して下がってしまった!そんな時は損切をするのが一番です。
しかし、安いと思って買ったのに、ますます安くなっているのを見ると「もっと買いたい」という思いが生まれますよね。損切どころか買い増しすることを「ナンピン」と呼びます。
・99円で買う
・95円で買う
・91円で買う
この様に下がっている時に買うと「平均取得価格が下がります」3回の平均取得価格は95円です。
平均取得価格が下がったので、最初の購入価格99円では無く95円で売れば、それ以上は利益という考え方ができます。
この時両建てで上昇した時は買った方のみ決済します。そして下落したら売ったものを買い戻して利益を確定します。
この様に両建てナンピンで利益が出せる!と思いがちですが待ってください!たとえの様に一度下がって、もう一度レートが上がる場合には両建てナンピンは有効です。
「ナンピン」は結果的に返金取得価格を下げる効果があります。しかしナンピンした後に、上手く上昇すればいいのですが、無計画なナンピンを続けても更に下落し、損失が膨らんでしまうのが典型的な失敗パターンです。
相場が予想に反して下がり続けたら資金不足になった途端に後戻りはできなくなります!そして多額の損失が発生することになります。
では両建てナンピンは使わない方が良いの?
■上昇トレンドの押し目買いのみで使う■
初心者はまだ取引にも慣れていないだけでは無く、しっかりとトレンドを読むことも難しい場合があります。
このまま「上昇する!」と思ってナンピンをしたら下落トレンドになってしまった・・・これでは損失を膨らますだけです。しかし上昇トレンド中に押し目でナンピンを使うのであれば、ナンピンも有利です。
上昇トレンドは一方的に上昇するわけではありません。上がったり下がったりと細かな上下変動を繰り返し右肩上がりの相場です。上昇トレンド中であればナンピンしても高い確率で再上昇していきます。
自動売買でも人気の手法で、しっかり理解すれば初心者でも利益を出すことができます。
※図解で説明
両建てを使ってロスカットを回避できる?
業者によっては両建てを禁止しているところもあるので、やっぱり両建ては難しいしやらない方が良いのかな?と思ってしまいますね。
しかし両建てでロスカットを回避する方法もあります。分かりやすく説明していきますね。
10万円を口座に入金して1ドル100円を1万ドル買った場合を想定します。
10万円を元手に1万ドル(100万円分)の取引をするのでレバレッジは10倍です。
利用している業者では含み損が50%以上になったらマージンコールが発生するとします。
つまり含み損が5万円以下になると「追加で保証金を入金してください」という連絡が来ます。
マージンコールがきても決められた期日までに追加でお金を入金すれば問題はありません。しかしマージンコールをそのままにして、更に損失が膨らむと強制的に売られてしまいます。これがロスカットです。
このロスカットされる基準も業者によって違います。
利用している業者のロスカットレベルが30%(含み損が保証金の70%を超えたらロスカットする)だった場合、10万円で1万ドルを買った場合には含み損が7万円を超えるとロスカットになります。
この様にマージンコールとロスカットを取引前にシミュレーションすることで、両建てでロスカットを回避することができます。
1ドル100円を1万ドル買った場合のロスカットはドル円がわかれば、ロスカットを回避するために「売りポジション」を持つと
・100円で1万通貨 買い
・95円で1万通貨 売り
・90円で1万通貨 +5万 -10万 含み損-5万
・85円で1万通貨 +10万 -15万 含み損-5万
※図解で説明
「買いポジション」と同じだけの「売りポジション」を持つことでそれ以上の含み損が増えなくなるというメリットがあります。ロスカットの7万円を超えることがないのでロスカットを回避することができます
まとめ:マージンコールとロスカットをシミュレーションすることで両建てでロスカットを回避できる!
・FXの両建てとは何か?
・両建ての方法について
・両建てを使ってロスカットを回避する方法
こちらについて初心者でもわかりやすく説明してきました。両建てで利益を出すのは初心者では難しい!と思いがちですが、しっかりとマージンコールとロスカットをシミュレーションすることで両建てを利用してロスカットを回避することができます!
初心者が初めから両建てを使いこなすのは難しいのでデモ画面などを利用して取引に慣れてから色々な注文方法を使ってみることをおすすめします!